令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.61は、事業者が事故報告書を所轄労働基準監督署長に遅滞なく提出しなければならない場合として、労働安全衛生法上 定められていないものを選ぶ問題です。
この問題は、機械の大きさで対象から外れることを知っているかを問うものです。引っかけの核心は、建設用リフトの境が0.25トンである点にあります。
移動式クレーンの0.5トンと数字が違います。
正解:選択肢4
| 選択肢 | 報告が要るか | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 要る | 火災又は爆発の事故(第96条第1号イ) |
| 2 | 要る | ゴンドラのアームの折損(第10号イ) |
| 3 | 要る | 除外は0.5トン未満。0.5トンは未満ではないので対象 |
| 4 | 要らない | 建設用リフトの除外は0.25トン未満。0.2トンは対象外 |
定められていないのは選択肢4です。
労働安全衛生規則第96条は、事故報告が要る場合を10号まで挙げています。それぞれに「クレーン等安全規則第2条に掲げるものを除く」という括弧が付いています。
その第2条が、大きさで線を引いています。
クレーン等安全規則 第2条(抜粋)
一 クレーン、移動式クレーン又はデリックで、つり上げ荷重が〇・五トン未満のもの
二 エレベーター、建設用リフト又は簡易リフトで、積載荷重が〇・二五トン未満のもの
この2つの数字が、選択肢3と4の分かれ目です。
| 機械 | 除外される大きさ | 問題の値 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 移動式クレーン | つり上げ荷重 0.5トン未満 |
0.5トン | 対象(未満でない) |
| 建設用リフト | 積載荷重 0.25トン未満 |
0.2トン | 対象外 |
選択肢3の0.5トンはちょうど境の値です。「0.5トン未満」が除外なので、0.5トンそのものは除外されません。
選択肢4の0.2トンは、0.25トンより小さいので規則そのものが適用されません。事故が起きても報告の義務がかかりません。
報告が要る事故は、機械ごとに内容も決まっています。
第96条の主な内容
一 火災又は爆発、高速回転体の破裂、索の切断、建設物の倒壊
四 クレーン → 逸走、倒壊、落下、ジブの折損、ワイヤロープの切断
五 移動式クレーン → 転倒、倒壊、ジブの折損、ワイヤロープの切断
八 建設用リフト → 昇降路等の倒壊、搬器の墜落、ワイヤロープの切断
十 ゴンドラ → 逸走、転倒、落下、アームの折損、ワイヤロープの切断
ゴンドラには大きさによる除外がありません。だから選択肢2は無条件で報告が要ります。
この報告は、けが人が出ていなくても提出します。機械が壊れた事実そのものが対象です。
つり上げ荷重0.5トンの移動式クレーンは事故報告の対象か。
対象です。除外されるのは0.5トン未満のものなので、ちょうど0.5トンは除外されません。
事故報告書はけが人がいなくても提出するか。
提出します。機械が壊れた事実そのものが報告の対象です。所轄労働基準監督署長に遅滞なく提出します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月