令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.40は、ネットワーク工程表においてクリティカルパスの日数(所要工期)を短縮する場合の記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。選択肢は5つあります。
この問題は、直列と並列でどちらが工期が短いかを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、短縮したいのに直列へ変更している点にあります。
直列にすると工期は伸びます。
正解:選択肢4
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | 見積りが過大なら、そこを詰められる |
| 2 | 適当 | 順序を入れ替えれば経路が変わり短縮できることがある |
| 3 | 適当 | 人員や機械を増やせば作業日数を減らせる |
| 4 | 不適当 | 並列を直列にすると工期は伸びる。逆をやる |
| 5 | 適当 | 品質と安全を落として短縮してはならない |
最も不適当なのは選択肢4です。
並列作業と直列作業では、かかる日数がまったく違います。
作業Aが5日、作業Bが3日のとき
直列(Aが終わってからB) → 5 + 3 = 8日
並列(AとBを同時に進める) → 長いほうだけ = 5日
並列にすれば短いほうの作業が長いほうに隠れます。だから工期が縮みます。
選択肢4は逆を書いています。並列を直列にすると、隠れていた日数が表に出て工期が伸びます。
短縮するときの手順は、次のように進めます。
工期短縮の進め方
① クリティカルパスを見つける
② その経路上の作業だけを対象にする
③ 見積り日数の見直し・順序の入れ替え・資源の投入を検討する
④ 短縮したらクリティカルパスを引き直す
②が要点です。クリティカルパス上にない作業をいくら短縮しても、全体の工期は変わりません。余裕(フロート)があるからです。
④も見落とせません。短縮すると、別の経路がいちばん長くなってクリティカルパスが移ることがあります。
クリティカルパスが移る例
経路A=20日(クリティカルパス)、経路B=18日
↓ 経路Aを4日短縮する
経路A=16日、経路B=18日
↓
経路Bが新しいクリティカルパスになる(全体は18日)
この場合、経路Aを4日縮めても全体は2日しか縮みません。だから短縮のたびに引き直します。
選択肢5は、短縮でいちばん大事なことを書いています。品質と安全を犠牲にした短縮は認められません。
選択肢3の「増加限度を検討した」も、人員を無制限には増やせないという意味で適当です。狭い現場に人を詰め込むと、かえって能率が落ちます。
クリティカルパス上にない作業を短縮すると工期はどうなるか。
変わりません。その作業には余裕(フロート)があるので、全体の工期を決めていないからです。
短縮したあとにクリティカルパスを引き直すのはなぜか。
短縮した経路より別の経路のほうが長くなり、クリティカルパスが移ることがあるからです。移った先を見ないと、それ以上短縮できません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月