令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.31は、道路トンネル照明に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、カウンタービーム照明方式が何のためにあるかを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、見えやすくする方式を「認識しにくい」と逆にしている点にあります。
障害物を黒く浮かび上がらせる方式です。
正解:選択肢3
> この論点をやさしく解説:道路トンネル照明とは?基本照明と入口部照明の違い・照明方式の使い分け
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | 光を一方向に偏らせるので非対称照明方式の一つ |
| 2 | 適当 | 車両の進行方向と逆向きに光を照射する |
| 3 | 不適当 | 輝度の差が大きくなるので障害物は認識しやすい |
| 4 | 適当 | トンネルの入口部照明に採用される |
最も不適当なのは選択肢3です。
カウンタービーム照明方式は、運転者に向かって光を返す向きに灯具を付けます。「カウンター」は対向という意味です。
この向きにすると、何が起こるかを追います。
カウンタービームで見える形
路面は光をよく返す → 明るく見える
障害物は運転者側が影になる → 暗く見える
↓
明るい路面に黒い影が浮かぶ → 輝度の差が大きい
選択肢3はこの関係を逆に書いています。差が大きいからこそ、障害物が認識しやすくなります。
入口部で使うのには理由があります。
トンネル入口部の問題
明るい屋外から急に暗いトンネルへ入る
↓
目が暗さに慣れず、中が見えない(ブラックホール現象)
↓
入口部だけ明るくして、目が慣れる時間をかせぐ
入口部はトンネルのなかでいちばん高い輝度が要る区間です。少ない灯具で高い効果を出せるカウンタービームが向いています。
トンネル照明の区分を整理します。
| 区分 | 役割 |
|---|---|
| 入口部照明 | 明るい屋外から入ってきた目が慣れるまでを支える。いちばん明るい |
| 基本照明 | トンネル全体に一定の明るさを保つ |
| 出口部照明 | 出た先の明るさとの差をやわらげる |
照明方式には、光の向きで3つの型があります。
対称照明方式 進行方向にも逆方向にも同じように配光する
カウンタービーム方式 進行方向と逆向きに照射する(非対称)
プロビーム方式 進行方向へ照射する(非対称)
カウンタービームとプロビームは、どちらも非対称照明方式です。向きが正反対になります。
カウンタービーム照明で障害物が見えやすくなるのはなぜか。
路面は光をよく返して明るく見え、障害物は運転者側が影になって暗く見えるからです。輝度の差が大きくなり、黒い影として浮かび上がります。
トンネルの入口部照明が必要なのはなぜか。
明るい屋外から急に暗いトンネルへ入ると目が慣れず、中が見えなくなるからです。入口部を明るくして、目が慣れる時間をかせぎます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月