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令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 No.26を解説、2つの接地の分圧

令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.26は、電気機器に完全地絡が生じたとき、その金属製外箱に生じる対地電圧を求める問題です。電線の抵抗など表示のない抵抗は無視します。

この問題のポイント

この問題は、2つの接地抵抗が直列につながっていると見抜けるかを問うものです。電源電圧が2つの接地抵抗で分けられます

大地を通って1つの閉回路ができています。

※ 問題の図そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(75 V)

> この論点をやさしく解説:接地抵抗値の判定とは?種別ごとの上限と500Ωの緩和を整理

> この論点をやさしく解説:B種接地工事の接地抵抗値とは?600・300・150の使い分けを整理

与えられた条件

項目
電源の電圧 100 V
変圧器側の接地抵抗(B種) 20 Ω
電気機器側の接地抵抗(D種) 60 Ω

選択肢は 25 V・50 V・75 V・100 V の4つです。

選択肢3のポイント(正解の求め方)

完全地絡とは、電路が外箱に抵抗なくつながってしまった状態です。電線の抵抗も無視するので、外箱には電源の電圧がそのままかかります。

そこから電流がどこを通るかをたどります。

地絡電流の通り道

 電源 → 電路 → 外箱 → D種接地(60 Ω)
    → 大地 → B種接地(20 Ω) → 電源へ戻る

2つの接地抵抗が大地を通って直列につながっています。これが1つの閉回路です。

まず地絡電流を求めます。

I = 100 ÷ (20 + 60) = 100 ÷ 80 = 1.25 A

次に、外箱の対地電圧を出します。外箱と大地の間にあるのはD種接地の60 Ωだけです。

V = 1.25 A × 60 Ω = 75 V

答えは75 Vです。B種側の20 Ωには残りの25 Vがかかっています。

検算
 D種側 1.25 × 60 = 75 V
 B種側 1.25 × 20 = 25 V
  合計 75 + 25 = 100 V → 電源電圧と一致

分圧の比で一気に求めることもできます。

V = 100 × 60 ÷ (20 + 60) = 75 V

この結果が意味するのは、外箱に触れた人に75 Vがかかるということです。感電の危険がある値です。

危険を減らすには、機器側(D種)の接地抵抗を小さくします

D種の接地抵抗 外箱の対地電圧 計算
60 Ω 75 V 100 × 60 ÷ 80
20 Ω 50 V 100 × 20 ÷ 40
10 Ω 約33 V 100 × 10 ÷ 30

D種を小さくするほど、外箱にかかる電圧が下がります。接地抵抗を規定値以下にする理由がここにあります。

覚え方

  • 2つの接地抵抗は大地を通って直列。1つの閉回路になる
  • 外箱の電圧は機器側の接地抵抗にかかる分=分圧の比で出す
  • D種を小さくするほど外箱の電圧が下がる

理解度チェック

Q.

この回路で2つの接地抵抗はどうつながっているか。

大地を通って直列につながっています。電源から外箱、D種接地、大地、B種接地を経て電源に戻る1つの閉回路です。

Q.

外箱の対地電圧を下げるにはどうするか。

機器側(D種)の接地抵抗を小さくします。分圧の比が変わり、外箱にかかる電圧が下がります。

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参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定(前期)問題」「同 正答肢」
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