令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.5は、発電機の原理図において、磁界中でコイルを一定の速度で回転させたとき、抵抗Rに流れる電流iの波形として適当なものを選ぶ問題です。S1・S2は整流子、B1・B2はブラシです。
この問題は、整流子が何をしているかを分かっているかを問うものです。整流子は半回転ごとに接点を入れ替えて、マイナス側の山を折り返します。
波形が0を下回らない形になります。
※ 問題の図そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(山が連続して並ぶ波形)
| 選択肢 | 波形 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 正弦波 | 整流子ではなくスリップリングを使った場合の波形 |
| 2 | 山が連続 | 整流子で下半分を折り返した形。これが答え |
| 3 | 山と休みが交互 | ダイオード1個の半波整流。整流子はこうならない |
| 4 | 一定値 | 脈動のない完全な直流。コイル1個ではこうならない |
適当なのは選択肢2です。
コイルを磁界の中で回すと、コイルに生じる起電力は正弦波になります。ここまではスリップリングでも整流子でも同じです。
違うのは、その起電力を外へ取り出す方法です。
| 取り出し方 | ブラシとの接触 | 外に出る波形 |
|---|---|---|
| スリップリング | ずっと同じ端に触れる | 正弦波(交流) |
| 整流子 | 半回転ごとに入れ替わる | 山が連続する脈流(直流) |
整流子は、リングを2つに割った形をしています。コイルが半回転して起電力の向きが反転するちょうどそのとき、ブラシが触れる側も入れ替わります。
その結果、外の回路から見ると電流の向きはいつも同じになります。マイナス側にいくはずだった山が、プラス側に折り返された形です。
波形の変わり方
コイルの起電力 = プラスの山 → マイナスの山 → プラスの山 …
↓ 整流子で半回転ごとに入れ替え
外に出る電流 = 山 → 山 → 山 …(0を下回らない)
選択肢3の半波整流と混ぜやすいので、区別しておきます。
半波整流はマイナスの半分を捨てるので、山と休みが交互に並びます。整流子はマイナスの半分を折り返すので、休みができません。
選択肢4の一定値にならないのは、コイルが1個しかないからです。実際の直流発電機は多数のコイルを配置して山を重ね合わせ、脈動を小さくしています。
スリップリングと整流子で、出てくる波形はどう違うか。
スリップリングは正弦波の交流がそのまま出ます。整流子は半回転ごとに接点が入れ替わるので、山が連続する脈流の直流になります。
実際の直流発電機で脈動が小さいのはなぜか。
コイルを多数配置して、それぞれの山を重ね合わせているからです。コイルが1個だと山と山のつなぎ目で0まで落ちます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月