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令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 No.3を解説、回る電流は2A

令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.3は、図に示す回路においてA−B間の電位差VABの値を求める問題です。

この問題のポイント

この問題は、2つの電源が押し合う閉回路の電流を出せるかを問うものです。A−B間には何も接続されていないので、電流は上下の枝だけをぐるりと回ります

回る電流が分かれば、あとは片方の枝をたどるだけです。

※ 問題の図そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢3(28 V)

与えられた条件

起電力 抵抗
上の枝 20 V 4 Ω
下の枝 30 V 1 Ω

選択肢は 12 V・25 V・28 V・50 V の4つです。

選択肢3のポイント(正解の求め方)

2つの電源は、閉回路の中で互いに打ち消し合う向きに置かれています。押し勝つのは電圧の大きい30V側です。

まず、回路を一周する電流を求めます。

I = (30 − 20) ÷ (4 + 1) = 10 ÷ 5 = 2 A

差の10Vが、直列になった4Ωと1Ωの合計5Ωにかかります。ここで30と20を足さないのがこの問題の要点です。足すと10Aになり、答えが変わります。

次に、この2Aを使って片方の枝をたどります。

上の枝でたどる
 20 V + 4 Ω × 2 A = 20 + 8 = 28 V

下の枝でたどる
 30 V − 1 Ω × 2 A = 30 − 2 = 28 V

どちらの枝を通っても28 Vで一致します。A−B間の電位差は1つしかないので、これは計算が合っているかの検算にそのまま使えます。

2つの枝で式の形が変わるのは、電流の向きが枝によって逆だからです。

電源の立場 抵抗での電圧降下の扱い
30 V 側 押している 自分の起電力から引く
20 V 側 押し返されている 自分の起電力に足す

押し返されている20V側は、外から電流を流し込まれています。充電されている電池と同じ状態です。

選択肢4の50Vは2つの電圧を足した値、選択肢1の12Vは差の10Vに近い値です。式を立てずに数字を組み合わせると、この2つに引っかかります

覚え方

  • 電源が打ち消し合う閉回路の電流は(大−小)÷合計抵抗
  • 押し勝つ側は起電力から引く、押し返される側は起電力に足す
  • 両方の枝で計算して同じ値になるか検算する

理解度チェック

Q.

この回路で30Vと20Vを足してはいけないのはなぜか。

2つの電源が閉回路の中で互いに打ち消し合う向きに置かれているからです。回路を回す力になるのは差の10Vです。

Q.

求めた電位差が正しいかを確かめる方法はあるか。

もう一方の枝をたどって同じ値になるかを見ます。A−B間の電位差は1つしかないので、上の枝でも下の枝でも同じ値になります。

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参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度 2級電気工事施工管理技術検定 第一次検定(前期)問題」「同 正答肢」
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