令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.1は、金属導体Bの抵抗値が金属導体Aの抵抗値の何倍になるかを求める問題です。材質と温度条件は同一とされています。
この問題は、抵抗が長さに比例し断面積に反比例することを使えるかを問うものです。半径が2倍になると断面積は4倍になる点が計算の山です。
長さの比だけを見ると答えを外します。
※ 問題の図そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢2(2倍)
| 導体 | 半径 | 長さ |
|---|---|---|
| 金属導体A | 2r | 2l |
| 金属導体B | r | l |
選択肢は 1倍・2倍・4倍・8倍 の4つです。
導体の抵抗は、次の式で求まります。
R = ρ × L ÷ S
ρ:抵抗率〔Ω·m〕(材質で決まる)
L:長さ〔m〕
S:断面積〔m²〕
材質と温度が同じなので、ρ は両方で共通です。比べるのは L と S だけになります。
断面積は円なので S = π×(半径)² です。半径の2乗で効きます。
導体A
断面積 SA = π(2r)² = 4πr²
長さ LA = 2l
RA = ρ × 2l ÷ 4πr² = ρl ÷ 2πr²
導体B
断面積 SB = πr²
長さ LB = l
RB = ρ × l ÷ πr² = ρl ÷ πr²
2つの比をとります。
RB ÷ RA = (ρl ÷ πr²) ÷ (ρl ÷ 2πr²) = 2
したがって導体Bの抵抗は導体Aの2倍です。
数を使わずに見ると、次のようになります。Bのほうが細くて短いので、2つの効果が逆に働きます。
| BはAと比べて | 倍率 | 抵抗への効き方 |
|---|---|---|
| 長さ | 2分の1 | 抵抗は2分の1になる(比例) |
| 半径 | 2分の1 | 断面積が4分の1なので抵抗は4倍(反比例) |
| 合わせて | - | 2分の1 × 4 = 2倍 |
半径を長さと同じ扱いにすると、2分の1 × 2 = 1倍となって選択肢1を選んでしまいます。ここが差の出るところです。
現場の感覚では、電線を太くすると抵抗が急に下がるという形で効いてきます。直径が2倍になれば抵抗は4分の1です。
半径が2倍の導体は、抵抗が何倍になるか。長さは同じとする。
4分の1です。断面積が4倍になり、抵抗は断面積に反比例します。
材質と温度が同じとき、抵抗の比を決めるのは何か。
長さと断面積だけです。抵抗率ρが共通なので、L÷S の比がそのまま抵抗の比になります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月