令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.63は、労働契約及び災害補償に関する記述として、「労働基準法」上、誤っているものを選ぶ問題です。
この問題は、労働基準法が労働者の側を守る法律だと分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、労働者にできることを「できない」と裏返している点にあります。
条件が話と違ったなら、労働者は即時に契約を解除できます。
正解:選択肢1
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 誤り | 労働者は即時に労働契約を解除できる |
| 2 | 正しい | 違約金や損害賠償額を予定する契約は禁止されている |
| 3 | 正しい | 業務上の負傷は使用者が療養の費用を負担する |
| 4 | 正しい | 親権者・後見人が未成年者に代わって契約してはならない |
誤っているのは選択肢1です。
使用者は、契約のときに賃金・労働時間その他の労働条件を明示しなければなりません。その明示が事実と違っていた場合の救済がこの規定です。
条件が違ったときにできること
明示された労働条件が事実と相違する
↓
労働者は即時に労働契約を解除できる
↓
(予告期間を待つ必要がない)
↓
就業のために住居を変えていた場合、契約解除の日から
14日以内に帰郷するなら、使用者が旅費を負担する
ふつうの退職なら予告が要りますが、話が違ったのは使用者の側なので、労働者は待たずに辞められます。
選択肢2の賠償予定の禁止も、労働者を縛らせないための決まりです。
賠償額を先に決めさせない理由
「途中で辞めたら100万円払う」と契約させる
↓
労働者は辞めたくても辞められなくなる
↓
実際の損害と関係なく金額が決まってしまう
↓
こうした契約自体を禁止している
実際に損害が出たときにその分を請求することまで禁じているわけではありません。禁じられているのは、あらかじめ額を決めておくことです。
選択肢3の療養補償は、災害補償の基本になる部分です。
| 補償 | 中身 |
|---|---|
| 療養補償 | 使用者がその費用で必要な療養を行う、または費用を負担する |
| 休業補償 | 療養で働けない期間の賃金を補償する |
| 障害補償 | 身体に障害が残ったときに補償する |
業務上かどうかが分かれ目です。業務外の病気やけがは、この災害補償の対象になりません。
選択肢4の未成年者の労働契約は、本人以外が勝手に決めさせないための規定です。親が代わって契約することは認められていません。契約が未成年者に不利なら、親権者・後見人または行政官庁が将来に向かって解除できます。
明示された労働条件が事実と違った場合、労働者は何ができるか。
即時に労働契約を解除できます。就業のために住居を変えていた場合、契約解除の日から14日以内に帰郷するなら使用者が旅費を負担します。
賠償予定の禁止は何を禁じているか。
労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額をあらかじめ決めておく契約です。実際に生じた損害を請求すること自体は禁じられていません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月