令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.54は、建設工事の請負契約書に記載しなければならない事項として、「建設業法」上、定められていないものを選ぶ問題です。
この問題は、契約書に書くのは当事者どうしの約束だけだと分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、請け負った側が自分で決めることを記載事項に混ぜている点にあります。
下請をいつ選ぶかは、注文者と結ぶ約束ではありません。
正解:選択肢3
| 選択肢 | 事項 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|---|
| 1 | 工事着手の時期 | 定められている | 工事完成の時期と並んで挙げられている |
| 2 | 工事完成の時期 | 定められている | 同上 |
| 3 | 下請負人の選定の時期 | 定められていない | 記載事項に無い。請負人が自分で決めること |
| 4 | 請負代金の支払の時期 | 定められている | 前金払・出来形払、完成後の支払とも挙げられている |
定められていないのは選択肢3です。
請負契約書の記載事項は、注文者と請負人の間で決めておくべきことが並んでいます。
記載事項の主なもの
工事内容/請負代金の額
↓
工事着手の時期及び工事完成の時期
↓
前金払・出来形払をするときの支払の時期及び方法
↓
設計変更・工期変更のときの取り決め
↓
天災など不可抗力による損害の負担
↓
完成の検査の時期・方法と引渡しの時期
↓
工事完成後の請負代金の支払の時期及び方法
↓
紛争の解決方法 ほか
どれも2者の間で食い違うと争いになることばかりです。「いつ払うか」「変更が出たら誰が負担するか」を先に決めておく趣旨になります。
一方、下請をいつ選ぶかは請負人の側の段取りです。
| 決めるのは誰か | 例 |
|---|---|
| 注文者と請負人 | 代金・工期・支払・検査・引渡し(契約書に書く) |
| 請負人だけ | 下請の選定、作業員の配置、施工の手順(契約書に書かない) |
選択肢1・2は、条文で「工事着手の時期及び工事完成の時期」と1つの号にまとめて挙げられています。着手と完成が対になっている点も押さえておきます。
支払の時期は2か所に出てきます。
支払に関する記載
前金払・出来形払をするとき=その支払の時期及び方法
↓ 工事の途中に払う分の取り決め
工事完成後=請負代金の支払の時期及び方法
引渡し後にいつ払うかの取り決め
下請負人の選定の時期が記載事項でないのはなぜか。
請負人が自分の段取りとして決めることで、注文者との間で取り決める内容ではないためです。
請負代金の支払に関する記載事項は何か。
前金払や出来形部分に対する支払をするときの時期・方法と、工事完成後の請負代金の支払の時期・方法です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月