令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.44は、建設工事における工程管理に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、進捗度曲線の縦軸が何かを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は、縦軸を出来高から人工に置き換えている点にあります。
進捗を見る図なので、縦軸は出来高です。
正解:選択肢3
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | 急ぐと手順が雑になるので、一般に品質は低下しやすい |
| 2 | 適当 | 完了予定日から逆算して各工事の開始日を決める |
| 3 | 不適当 | Sチャートは工期と出来高の関係。累計人工ではない |
| 4 | 適当 | 搬入工程表は製作図作成・承認から受入検査までを書き表す |
最も不適当なのは選択肢3です。
進捗度曲線は、横軸に工期、縦軸に出来高(進捗率)を取ったグラフです。
なぜS字になるのか
着工直後は準備が多く、出来高が伸びない
↓
中盤は人も材料もそろい、いちばん速く進む
↓
終盤は残った細かい作業と手直しで、また伸びが鈍る
↓
線がS字を描く(Sチャートと呼ばれる)
出来高は工事がどこまで進んだかを表します。人工(労務量)は、それを作るために投入した資源の量で、別の話です。
| グラフ | 縦軸 | 何を見るか |
|---|---|---|
| 進捗度曲線 | 累計の出来高 | 予定より進んでいるか遅れているか |
| 労務工程表 | 人数 | いつ何人必要か |
| バナナ曲線 | 累計の出来高 | 上下の許容範囲に収まっているか |
実績の線を予定の線と重ねると、遅れがひと目で分かります。バナナ曲線は、その許容幅を上下2本の曲線で示したものです。
選択肢1の施工速度と品質の関係も、工程管理の基本です。
速さ・品質・原価の関係
施工速度を上げる
↓
人を増やす、残業する、手順を省く
↓
品質が落ちやすく、原価も上がる
↓
速すぎても遅すぎても損。最も経済的な速度がある
選択肢2の逆算も、工程を組むときの向きです。完成日は動かせないので、そこから戻って各工事の開始日を決めます。
進捗度曲線がS字を描くのはなぜか。
着工直後は準備が多くて出来高が伸びず、中盤で最も速く進み、終盤は細かい作業と手直しでまた鈍るためです。
施工速度を上げると品質が低下しやすいのはなぜか。
人を増やしたり残業したり手順を省いたりするためです。速すぎても遅すぎても損になるので、最も経済的な速度があります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月