令和5年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.1は、20 ℃で10 Ωの金属体が45 ℃になったときの抵抗値を求める問題です。抵抗温度係数は0.004 ℃-1で一定とされています。
この問題は、温度そのものではなく上がった差を使うことに気づけるかを問うものです。45℃ではなく25℃を掛けます。
金属は温まると抵抗が上がります。
正解:選択肢2(11 Ω)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| はじめの温度 | 20 ℃ |
| はじめの抵抗値 | 10 Ω |
| あとの温度 | 45 ℃ |
| 抵抗温度係数 | 0.004 ℃-1 |
選択肢は 9 Ω・11 Ω・12 Ω・13 Ω の4つです。
抵抗の温度による変化は、次の式で表せます。
Rt = R0 × { 1 + α × (t − t0) }
R0:はじめの抵抗値 t0:はじめの温度
Rt:あとの抵抗値 t:あとの温度
α:抵抗温度係数
括弧の中は温度の差です。あとの温度をそのまま入れるのではありません。
温度差
45 − 20 = 25 ℃
抵抗値
Rt = 10 × (1 + 0.004 × 25)
= 10 × (1 + 0.1)
= 10 × 1.1 = 11 Ω
答えは11 Ωです。
もし温度差でなく45をそのまま入れると、次のようになります。
間違えた場合
10 × (1 + 0.004 × 45) = 10 × 1.18 = 11.8 Ω
↓
選択肢に無い値になる
選択肢に無いので気づけますが、式の意味を分かっていれば迷いません。
金属の抵抗が温度で上がるのには理由があります。
温まると抵抗が上がるしくみ
温度が上がると原子の振動が激しくなる
↓
自由電子が原子にぶつかりやすくなる
↓
電流が流れにくくなる=抵抗が増える
係数0.004は銅や鉄などの金属に近い値です。金属はどれも似た値になります。
半導体は逆で、温度が上がると抵抗が下がります。金属とは向きが反対です。
現場では、電線が電流で温まると抵抗が増える形で効いてきます。抵抗が増えると発熱がさらに増えます。
この式で温度の差を使うのはなぜか。
はじめの温度での抵抗値を基準にして、そこから何度上がったかで増える分を計算しているからです。あとの温度をそのまま入れると基準がずれます。
金属と半導体で温度の効き方はどう違うか。
金属は温度が上がると抵抗が増えます。半導体は逆で、温度が上がると抵抗が下がります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月