令和4年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.62は、移動式クレーンの運転業務について、労働安全衛生法上 正しい語句の組合せを選ぶ問題です。
この問題は、就業制限のかかる業務では免許か技能講習が要ることを分かっているかを問うものです。施工技術検定は資格の種類が違うので、アに入りません。
アが決まれば選択肢は3と4の2つに絞れます。
正解:選択肢4(ア=運転士免許、イ=技能講習)
| 選択肢 | ア/イ | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 施工技術検定/特別教育 | 施工技術検定は施工管理技士の試験。運転の資格ではない |
| 2 | 施工技術検定/技能講習 | アが誤り |
| 3 | 運転士免許/特別教育 | イが誤り。1t以上5t未満は技能講習 |
| 4 | 運転士免許/技能講習 | 安衛法第61条の枠組みどおり |
正しいのは選択肢4です。
まず、なぜ移動式クレーンに資格が要るのかを条文で押さえます。
労働安全衛生法 第61条第1項
事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。
この条は就業制限と呼ばれます。条文に出てくるのは免許と技能講習の2つで、特別教育も施工技術検定も出てきません。
どの業務が対象かは政令で決まります。
労働安全衛生法施行令 第20条第7号
つり上げ荷重が一トン以上の移動式クレーンの運転(道路交通法第二条第一項第一号に規定する道路上を走行させる運転を除く。)の業務
問題文の「1t以上」「道路上を走行させる運転を除く」は、この号と同じです。
そのうえで、荷重によって2段に分かれます。
| つり上げ荷重 | 必要な資格 |
|---|---|
| 5t以上 | 移動式クレーン運転士免許 |
| 1t以上5t未満 | 小型移動式クレーン運転技能講習の修了でよい |
| 1t未満 | 就業制限の対象外(特別教育) |
問題文は「1t以上は〔ア〕を受けた者でなければ」「ただし1t以上5t未満は〔イ〕を修了した者を就かせることができる」という形です。原則が免許、ただし書きが技能講習という組み立てになっています。
ここで言葉の選び方に注目します。アは「受けた者」、イは「修了した者」です。免許は受けるもの、講習は修了するものなので、動詞のほうからも見分けられます。
選択肢1・2にある施工技術検定は、施工管理技士になるための試験です。現場を管理する資格であって、機械を運転する資格ではありません。安衛法第61条とは別の法律の話になります。
選択肢3の特別教育は、就業制限に届かない業務について事業者が行う教育です。1t未満の移動式クレーンがこれにあたります。1t以上5t未満のところに特別教育を持ってくると、資格が1段軽くなります。
つり上げ荷重3tの移動式クレーンを運転するのに必要な資格は。
小型移動式クレーン運転技能講習の修了でよいとされています。1t以上5t未満がこの範囲です。5t以上になると移動式クレーン運転士免許が必要です。
就業制限の対象となる業務では、どんな資格が求められるか。
労働安全衛生法第61条により、都道府県労働局長の免許を受けた者、または登録を受けた者が行う技能講習を修了した者などです。特別教育では足りません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月