令和4年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.4は、内部抵抗10kΩ、最大目盛30Vの永久磁石可動コイル形電圧計を使って、最大電圧300Vまで測定するための倍率器の抵抗値を求める問題です。
この問題は、倍率器が受け持つのが残りの分だけだと分かっているかを問うものです。10倍にするなら、電圧計以外の9倍分を持たせます。
10倍だから10倍分、ではありません。
正解:選択肢2(90kΩ)
| 選択肢 | 値 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 10kΩ | 2倍にしかならない。60Vまで |
| 2 | 90kΩ | 合計100kΩで10倍。300Vまで |
| 3 | 100kΩ | 11倍になる。1を引いていない値 |
| 4 | 900kΩ | 91倍になる。桁がひとつ大きい |
正しいのは選択肢2です。
倍率器は電圧計に直列につなぐ抵抗です。測りたい電圧を、電圧計と倍率器で分け合います。
まず倍率を出します。
倍率 m = 300V ÷ 30V = 10倍
10倍にするということは、300Vのうち電圧計が30Vを受け持ち、残りの270Vを倍率器が受け持つということです。直列なので同じ電流が流れ、抵抗の比がそのまま電圧の比になります。
電圧計 : 倍率器 = 30V : 270V = 1 : 9
倍率器の抵抗 Rm = 10kΩ × 9 = 90kΩ
式にすると次の形です。
Rm = r ×(m − 1)
= 10kΩ ×(10 − 1)= 10kΩ × 9 = 90kΩ
(r=電圧計の内部抵抗、m=倍率)
1を引くのは、電圧計自身が1倍分を受け持っているからです。ここを引き忘れると選択肢3の100kΩになります。用意された誤りの選択肢がそれです。
検算します。合計は 10k + 90k = 100kΩ。電圧計の10kΩに30Vがかかるとき、全体には 30V ×(100k ÷ 10k)= 300V。設問と一致します。
電流計の範囲を広げるときは分流器を並列につなぎます。直列につなぐ倍率器と、並列につなぐ分流器で、向きが逆になります。
倍率器の抵抗値はどう求めるか。
電圧計の内部抵抗に(倍率−1)を掛けます。内部抵抗10kΩで10倍にするなら 10k×9=90kΩです。
なぜ倍率から1を引くのか。
電圧計自身が1倍分の電圧を受け持つからです。倍率器が持つのは残りの分だけになります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月