令和4年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.52は、墨出しの図でアとイの名称の組合せを選ぶ問題です。
この問題は、アに1000という寸法が入っていることに気づけるかを問うものです。柱から一定距離ずらしてあるので、中心を示す心墨ではありません。
イは「FL+1000」と書かれた水平の線です。
※ 問題の図そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢1(ア=返り墨(逃げ墨)、イ=陸墨)
| 選択肢 | ア/イ | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 返り墨(逃げ墨)/陸墨 | 柱から1000ずらした床の墨と、水平の墨 |
| 2 | 返り墨(逃げ墨)/地墨 | アは合っているがイが違う |
| 3 | 心墨/陸墨 | イは合っているがアが違う |
| 4 | 心墨/地墨 | どちらも違う |
正しいのは選択肢1です。
墨出しは、工事の基準になる位置や高さを、床や壁に線で示す作業です。この線を墨といいます。
墨には種類があり、名前で役目が分かれています。
| 墨 | 中身 |
|---|---|
| 心墨 | 柱や壁の中心を示す墨 |
| 返り墨(逃げ墨) | 心墨の位置に墨を出せないとき、一定距離ずらして平行に引く墨 |
| 陸墨 | 水平を示す墨。床仕上げ面から一定の高さに引く |
| 地墨 | 床面に打つ墨の総称 |
アの見分け方は寸法です。図では柱から1000mm離した位置に線が引かれています。
柱の中心に墨を出そうとしても、そこには柱があって線を引けません。そこで1mずらした位置に平行な線を引き、そこから1m戻れば中心という使い方をします。これが返り墨(逃げ墨)です。
「逃げ」は邪魔なものを避けてずらすという意味で、「返り」はそこから元の位置へ戻すという意味です。
心墨なら柱の中心を通る線になり、1000という寸法は付きません。寸法が書いてあること自体が、ずらしてある証拠です。
イの見分け方は「FL+1000」の表記です。FLはフロアライン、つまり床の仕上げ面を指します。そこから1000mm上がった高さに引かれた水平の線です。
水平を示す墨が陸墨です。「陸」は水平という意味で、水平でないことを「不陸」といいます。
陸墨は天井の高さ、建具の取付け位置、器具の据付け高さを決める基準になります。床の仕上げ面は最後にできるので、途中の作業では陸墨から測ります。
電気工事では、コンセントやスイッチの取付け高さ、盤の据付け高さをこの墨から追い出します。
選択肢2と4の地墨は、床面に打つ墨をまとめて指す言葉です。図のイは壁面に引かれているので当たりません。
返り墨(逃げ墨)はなぜ引くのか。
柱や壁があって心墨の位置に線を引けないからです。一定距離ずらして平行に引き、そこから戻って本来の位置を出します。
陸墨は電気工事で何に使うか。
コンセントやスイッチの取付け高さ、盤の据付け高さの基準に使います。床の仕上げ面は最後にできるので、途中の作業では陸墨から測ります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月