令和4年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.48は、太陽光発電システムの施工に関する記述として最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、2種類のダイオードの役割を区別できるかを問うものです。逆電流を止めるのは逆流防止ダイオードです。
バイパスダイオードは影ができたときの対策で、付ける場所も違います。
正解:選択肢1
> この論点をやさしく解説:太陽光発電設備の施工とは?接続箱の部品と耐雷トランスの設置側を整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 不適当 | 逆電流を止めるのは逆流防止ダイオード |
| 2 | 適当 | 接続箱にサージ防護デバイスを設ける |
| 3 | 適当 | 配線作業の前にモジュールを遮光シートで覆う |
| 4 | 適当 | 耐雷トランスを交流電源側に設置する |
不適当なのは選択肢1です。
太陽光発電で使うダイオードは2種類あり、目的も付ける場所も違います。
| ダイオード | 付ける場所 | 目的 |
|---|---|---|
| 逆流防止ダイオード | 接続箱(ストリングごと) | ストリングへの逆電流の流入を防ぐ |
| バイパスダイオード | モジュールの中 (数セットごと) |
影になったセルを迂回して発電を続ける |
問題文は目的(逆電流の防止)と部品名(バイパスダイオード)を組み違えています。目的のほうが正しいので、部品名を逆流防止ダイオードに直せば正しい記述になります。
逆流防止ダイオードが要る理由を見ます。太陽電池はストリングを並列につないで使いますが、1本のストリングだけ日射が弱くなると電圧が下がります。すると他のストリングから電流が逆に流れ込み、そこで発熱します。これを一方通行にして止めるのが逆流防止ダイオードです。
バイパスダイオードは別の問題への対策です。直列につないだセルの1枚が影になると、そのセルが抵抗になって電流が流れなくなり、しかもそこで発熱します。これをホットスポットといいます。
バイパスダイオードを並列に入れておくと、電流が影のセルを迂回して流れ、残りのセルは発電を続けられます。モジュールの端子箱に組み込まれています。
ほかの3つを見ておきます。
選択肢2のサージ防護デバイスは、雷サージから機器を守る部品です。太陽電池は屋根や広い土地に置かれるので雷を受けやすく、接続箱やパワーコンディショナに入れます。
選択肢3の遮光シートは感電防止です。太陽電池は光が当たっている限り発電し続け、開閉器で止められません。配線作業の前に光を遮って電圧を下げます。
選択肢4の耐雷トランスは、雷サージが商用電源側から入ってくるのを抑えます。パワーコンディショナの交流側に置きます。
逆流防止ダイオードとバイパスダイオードの違いは。
逆流防止ダイオードは接続箱に入れてストリングへの逆電流を防ぎます。バイパスダイオードはモジュール内にあり、影になったセルを迂回して発電を続けさせます。
配線作業の前に太陽電池モジュールを遮光するのはなぜか。
光が当たっている限り発電し続け、開閉器で止められないからです。遮光して電圧を下げてから作業します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月