令和4年度(後期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.37は、鉄筋コンクリート構造におけるコンクリートの特徴に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、コンクリートが引張に弱いことを分かっているかを問うものです。引張強度は圧縮強度の10分の1程度しかありません。
この弱さを補うために鉄筋を入れます。
正解:選択肢2
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 適当 | スランプは数値が大きいほど軟らかい |
| 2 | 不適当 | 引張強度は圧縮強度の10分の1程度 |
| 3 | 適当 | アルカリ性が鉄筋のさびを防ぐ |
| 4 | 適当 | かぶり厚さは耐久性・耐火性に大きく影響する |
不適当なのは選択肢2です。
コンクリートは押されることには強く、引っ張られることには弱い材料です。引張強度は圧縮強度のおよそ10分の1にとどまります。
そのため、コンクリートだけで梁や床をつくると、引張がかかる側から割れます。梁を上から押すと下側が伸びようとするので、下側にひびが入ります。
この弱点を埋めるのが鉄筋です。鉄は引張に強いので、引張がかかる位置に鉄筋を入れて、その力を鉄筋に受け持たせます。これが鉄筋コンクリート構造の考え方です。
役割分担
圧縮 → コンクリートが受け持つ
引張 → 鉄筋が受け持つ
もし問題文のとおり圧縮強度と引張強度がほぼ等しいなら、鉄筋を入れる理由がなくなります。無筋コンクリートで足りることになってしまいます。
ほかの3つを見ておきます。
選択肢1のスランプは、生コンクリートの軟らかさを表す値です。円錐形の容器に詰めて引き抜き、頂部が何cm下がったかを測ります。よく流れる(軟らかい)ほど大きく崩れるので、数値が大きくなります。
軟らかいほど打ち込みやすい反面、水が多くなると強度が落ちるので、必要な範囲にとどめます。
選択肢3のアルカリ性は、鉄筋を守るはたらきです。鉄は普通の環境ではさびますが、強いアルカリ性の中では表面に不動態皮膜ができてさびません。コンクリートはこの環境を作っています。
ただし空気中の二酸化炭素が入り込むと、表面から少しずつアルカリ性が失われます。これを中性化といい、中性化が鉄筋の位置まで進むとさび始めます。
選択肢4のかぶり厚さは、鉄筋の外側からコンクリート表面までの距離です。この厚みがあるほど中性化が鉄筋に届くまで時間がかかり、火災時にも鉄筋の温度が上がりにくくなります。耐久性と耐火性の両方に効きます。
選択肢3と4はつながっています。アルカリ性が鉄筋を守り、かぶり厚さがその守りを長持ちさせるという関係です。
鉄筋コンクリートで鉄筋が受け持つのはどんな力か。
引張力です。コンクリートは圧縮に強く引張に弱いので、引張がかかる位置に鉄筋を入れて分担させます。
コンクリートの中性化とは何か。
空気中の二酸化炭素が入り込んで、コンクリートのアルカリ性が表面から失われていく現象です。鉄筋の位置まで進むと鉄筋がさび始めます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月