令和8年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.16は、送電系統の保護継電方式に関する問題です。この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
この問題は、保護継電器の役割と方式ごとの判断のしかたを問うものです。なかでも引っかけの核心は距離継電方式が事故と判断する向きで、大きいか小さいかを取り違えていないかが分かれ目になります。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢4(最も不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 保護継電器には高速性・確実性が求められる |
| 2 | ○(正しい) | 後備保護継電器は主保護が動作しないときの備え |
| 3 | ○(正しい) | 回線選択継電方式は2回線の電流や潮流の差で故障回線を選ぶ |
| 4 | ×(誤り) | 測るのは電圧と電流、事故と判断するのは値が小さいとき |
選択肢4は「位相により」と「大きい場合」の2か所が条件と合いません。
距離継電方式は、事故時の電圧を電流で割ってインピーダンスを求め、その値が保護範囲の中に入っているかで判断します。電圧と電流の比なので、位相そのもので動く方式ではありません。
短絡が起きると、継電器から見えるのは故障点までの線路インピーダンスだけになります。負荷につながっていた平常時より値がぐっと小さくなるので、設定した範囲を下回ったときに事故と判断します。
問題文は「大きい場合は事故」と書いており、向きが逆です。距離継電器の「距離」は、インピーダンスが距離に比例することから来ています。値が小さいほど故障点が近いという読み方になります。
距離継電方式は、測定したインピーダンスがどうなったときに事故と判断するか。
設定した保護範囲より小さくなったときです。短絡すると継電器から見えるのは故障点までの線路インピーダンスだけになり、平常時より小さくなるからです。
距離継電器は何を測って動作するか。
電圧と電流です。両者の比からインピーダンスを求めます。位相そのもので動く方式ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月