令和8年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.3は、RLC直列回路の有効電力を求める問題です。この問題では、4つの選択肢の中から、正しい値を選びます。
この問題は、直列回路のインピーダンス合成と有効電力の式(P = I2R)を使う計算問題です。なかでも核心は誘導性と容量性のリアクタンスを引き算してから合成することで、ここさえ合えばあとは式に入れるだけです。
※ 問題文そのものは、建設業振興基金が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢3(1,200 W)
与えられた値を整理します。
電源電圧 E = 100 V
抵抗 R = 3 Ω
誘導性リアクタンス XL = 8 Ω、容量性リアクタンス XC = 4 Ω
直列回路のインピーダンスは Z = √(R2 + (XL − XC)2) で求めます。XLとXCは向きが180度違うので、足さずに引きます。
XL − XC = 8 − 4 = 4 Ω
Z = √(32 + 42) = √25 = 5 Ω
電流はオームの法則で出します。
I = E / Z = 100 ÷ 5 = 20 A
有効電力は抵抗だけが消費するので、P = I2R に入れます。
P = 202 × 3 = 400 × 3 = 1,200 W
選択肢3の「1,200 W」が正しい値ということです。
引っかけはリアクタンスを足してしまうことです。8+4=12とするとZ=√(9+144)≒12.4Ω、I≒8.06Aで P≒195 W となり、どれにも当たりません。またP=EIとすると100×20=2,000 W で選択肢4に行き着きます。これは皮相電力です。
R=3Ω、XL=8Ω、XC=4Ωの直列回路に100Vを加えたときの有効電力はいくらか。
Z=√(3²+(8−4)²)=5Ω、I=100÷5=20A、P=20²×3=1,200 Wです。有効電力は抵抗だけが消費します。
誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスを、なぜ引き算するのか。
電流に対する電圧の位相が互いに180度違うためです。ベクトルで打ち消し合うので、差だけが回路のリアクタンスとして残ります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月