令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.89は、建設業の事業者が選任する総括安全衛生管理者に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものを選ぶ問題です。
この問題は、総括安全衛生管理者が誰を指揮するかを分かっているかを問うものです。相手は安全管理者と衛生管理者です。
元方安全衛生管理者を指揮するのは統括安全衛生責任者です。
正解:選択肢2(元方安全衛生管理者の指揮をさせるとした記述)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 常時100人以上の事業場ごとに選任 | 正しい |
| 2 | 元方安全衛生管理者の指揮と技術的事項の管理 | 誤り。安全管理者・衛生管理者を指揮し、業務を統括管理する |
| 3 | 健康の保持増進のための措置を統括管理させる | 正しい |
| 4 | 事由が発生した日から14日以内に選任 | 正しい |
誤っているのは選択肢2です。
引っかけの核心は、総括安全衛生管理者と統括安全衛生責任者という名前が似ていて、条文の形もそっくりなところです。どちらも「〜の指揮をさせるとともに、〜を統括管理させなければならない」という同じ骨格で書かれています。
| 役職 | 指揮する相手 | 置く場面 |
|---|---|---|
| 総括安全衛生管理者 (第10条) |
安全管理者・衛生管理者 | 1つの事業場の規模で決まる |
| 統括安全衛生責任者 (第15条) |
元方安全衛生管理者 | 元請と下請が同じ場所で作業するとき |
総括安全衛生管理者は自社の中の話です。安全管理者と衛生管理者を下に置き、労働者の危険防止や健康管理を統括します。
統括安全衛生責任者は元請と下請が混ざる現場の話です。会社をまたぐ調整が仕事で、その下に元方安全衛生管理者が付きます。
選択肢2はもう1か所も違います。総括安全衛生管理者がするのは統括管理で、技術的事項の管理は安全管理者・衛生管理者の役目です。2語を入れ替えて2重に壊しています。
過去問を並べると入れ替えの動きが見えます。平成26年度 No.89と平成29年度 No.89では、選択肢4「総括安全衛生管理者は、安全管理者及び衛生管理者の指揮をしなければならない」が正しい肢で、誤りは「事由が発生した日から30日以内に選任」のほうでした。
令和4年度は選任の期限を14日以内に直し、代わりに指揮の相手を壊しています。同じ問題の中で、壊す場所が年度ごとに入れ替わります。
選択肢1の100人は建設業の数字です。業種によって50人・100人・1,000人と分かれます。選択肢4の14日以内は、安全管理者や衛生管理者の選任でも同じ期限です。
総括安全衛生管理者は誰を指揮するか。
安全管理者と衛生管理者です。元方安全衛生管理者を指揮するのは統括安全衛生責任者です。
総括安全衛生管理者はいつまでに選任するか。
選任すべき事由が発生した日から14日以内です。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月