令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.69は、高所作業車に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものを選ぶ問題です。設問には「高所作業車は継続して使用しているものとし、道路上の走行の作業を除く」という条件が付いています。
この問題は、高所作業車の運転に必要な資格が高さで分かれることを分かっているかを問うものです。10mが境目で、これ以上は技能講習です。
特別教育で乗れるのは10m未満までです。
正解:選択肢3(10m以上の運転に特別の教育とした記述)
なお試験実施団体は、この問題について「3」を正答として発表したあと、「4」も正答として、どちらも正答とする訂正を出しています。
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | あらかじめ作業計画を定める | 正しい |
| 2 | その日の作業開始前に制動・操作・作業装置を点検 | 正しい |
| 3 | 作業床10m以上の運転は特別の教育を受けた者 | 誤り。10m以上は技能講習 |
| 4 | 1年以内ごとに1回、定期に自主検査 | 訂正により、これも正答として扱われた |
公表された正答は選択肢3で、訂正により選択肢4も正答として採点されました。
引っかけの核心は、特別の教育も技能講習もどちらも実在する制度で、文だけ読むと違和感が無いところです。境目の数字を覚えていなければ判断できません。
| 作業床の高さ | 必要なもの |
|---|---|
| 10m未満 | 特別の教育 |
| 10m以上 | 技能講習の修了 |
選択肢3は10m以上なのに特別の教育で足りると書いているので誤りです。
この境目は過去問でも確かめられます。平成27年度 No.77は「特別教育を修了した者が就業できる業務」を問う問題で、選択肢1「作業床の高さが10m未満の高所作業車の運転」が正しい肢として置かれていました。平成29年度 No.78でも「作業床の高さが8mの高所作業車の運転」が正しい肢です。10m未満なら特別教育でよいことが、2年度で裏づけられます。
選択肢1の作業計画は安衛則第194条の9、選択肢2の作業開始前点検は第194条の27です。作業開始前に見るのは制動装置・操作装置・作業装置の機能の3つで、条文の並びがそのまま出ています。
選択肢4の「1年以内ごとに1回、定期に、自主検査」は、安衛則第194条の23の文言と一致します。それでも訂正で正答に加えられました。
高所作業車の自主検査には1年以内ごとに1回(第194条の23)と1月以内ごとに1回(第194条の24)の2つがあります。さらに第194条の26第3項は、道路運送車両法の点検を行った部分については第194条の23の自主検査を行うことを要しないと定めています。
試験実施団体は訂正の理由を公表していません。学習上は「10m以上は技能講習」を答えとして押さえておけば足ります。
作業床の高さが10m以上の高所作業車の運転に必要なものは何か。
技能講習の修了です。特別の教育で乗れるのは10m未満までです。
高所作業車を用いて作業する日に、開始前に点検するのは何か。
制動装置、操作装置及び作業装置の機能です。安衛則第194条の27に定められています。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月