令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.18は、変電所に用いられる機器に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、開閉する機器を電流の大きさで並べられるかを問うものです。短絡電流を切れるのは遮断器だけです。
負荷開閉器は負荷電流までです。
正解:選択肢3(負荷開閉器に短絡電流の遮断能力もあるとした記述)
> この論点をやさしく解説:変電所の機器の役割とは?変圧器・電力用コンデンサ・遮断器の違いを整理
| 選択肢 | 機器 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 遮断器 | 適当。故障時の自動遮断と常時の開閉操作 |
| 2 | 断路器 | 適当。無負荷時に回路を切り離す |
| 3 | 負荷開閉器 | 不適当。短絡電流の遮断能力は無い |
| 4 | 接地開閉器 | 適当。残留電荷や誘導電圧をなくす |
最も不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、負荷電流を切れるなら短絡電流も切れそうだと感じるところです。短絡電流は負荷電流の何十倍にもなるので、まったく別の能力が要ります。
開閉する機器は、切れる電流の大きさで並びます。
| 機器 | 切れる電流 | 使い方 |
|---|---|---|
| 断路器(DS) | 無負荷のみ | 遮断器で電流を切ってから開く。点検時の切り離し |
| 負荷開閉器(LBS) | 負荷電流まで | 日常の入り切り。短絡は限流ヒューズに任せる |
| 遮断器(CB) | 短絡電流まで | 保護継電器と組んで事故電流を切る |
負荷開閉器は、短絡電流を切る役目を限流ヒューズに任せる使い方をします。高圧受電設備でよく見るLBSは、ヒューズとセットになっています。
ヒューズが溶断するとストライカが飛び出して開閉器を開く仕組みで、3相のうち1相だけ切れる欠相を防いでいます。
選択肢2の断路器は、電流が流れている状態では開けません。開くとアークが引き伸ばされて消えず、事故になります。必ず遮断器を先に開いてから操作します。
この順序を守るために、実際の設備ではインタロックが組まれています。遮断器が閉じている間は断路器を操作できません。
選択肢4の接地開閉器は、点検の前に電路を大地につないで安全にするものです。開放しただけでは、ケーブルの静電容量に電荷が残り、近くの活線から電圧が誘導されます。
選択肢1の遮断器は、故障時の自動遮断が主な役目ですが、常時の開閉操作にも使います。切れる電流がいちばん大きいので、どの場面でも使えるということです。
負荷開閉器は短絡電流を遮断できるか。
できません。負荷電流の開閉までです。短絡電流は組み合わせた限流ヒューズが切ります。
断路器を電流が流れている状態で開いてはいけないのはなぜか。
アークを消す仕組みを持たないためです。引き伸ばされたアークが消えず事故になります。必ず遮断器を先に開きます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月