独学で学ぶ土地家屋調査士

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分筆登記と地積更正登記の違い|「分ける」登記と「面積を直す」登記

この記事の要点

分筆登記は1筆の土地を2筆以上に「分ける」登記、地積更正登記は登記の地積(面積)の誤りを実測値に「直す」登記です。

地積更正は申請義務がなく任意ですが、分筆をするときは前提として地積更正が必要になることがあります。

「面積を直す」のが目的なら地積更正、「土地を分ける」のが目的なら分筆、と目的で見分けるのが基本です。

分筆登記とは、1筆の土地を2筆以上に分けて、それぞれを別の土地として登記することです。

一方で、地積更正登記とは、登記記録に記録された地積(面積)が実際の測量結果と食い違っているときに、正しい地積に直す登記です。

どちらも土地の「表示に関する登記」で、土地家屋調査士が扱う代表的な登記です。名前が似ていて混同しやすいのですが、そもそもの目的がまったく違います

分筆登記とは?土地を「分ける」登記

分筆登記は、1つの土地(1筆)を複数の土地に分割する登記です。

たとえば、相続で土地を兄弟で分けたいとき、土地の一部だけを売りたいとき、地目の違う部分を分けたいときなどに使います。

分筆をするには、対象となる土地を測量し、筆界(土地の境界)を隣地所有者との立会いなどで確認したうえで、地積測量図を作成して申請します。

このとき、分筆後の各土地について面積を求める全筆求積が原則です。求積方法を記録する根拠は不動産登記規則第77条第1項第5号です。

残地求積は、不動産登記事務取扱手続準則第72条第2項により、特別の事情がある場合に限られます(分筆の地積測量図そのものは規則第78条)。

地積更正登記とは?登記の面積を実測に「直す」登記

地積更正登記は、登記記録の地積が間違っているときに、それを正しい面積に直す登記です。

登記簿の面積(公簿面積)は、古い測量に基づいていて実際の面積とずれていることがあります。実測した面積と登記の地積が食い違っているとき、登記の数字を実測値にそろえるのが地積更正です。

地積更正は申請義務がなく、任意です。地積が間違っていると分かっても、必ず登記し直さなければならないわけではありません。

ただし、地積更正にも筆界の確認と地積測量図の作成が必要になります。

2つは何が違うのか

違いは「土地そのものを分けるか」「面積の数字だけを直すか」にあります。まず下の図でイメージをつかみ、表で整理します。

分筆 1筆 1筆が2筆に分かれる 形が変わる・筆が増える 地積更正 形は同じ 地積(数字)を直す 形は変わらない・数字だけ直る
分筆は土地の形が変わって筆が増える登記、地積更正は形を変えず登記の地積(数字)を実測に直す登記。※位置関係をつかむための模式図で、形・比率は実物どおりではありません。
項目 分筆登記 地積更正登記
目的1筆の土地を2筆以上に分ける登記の地積の誤りを実測に直す
筆の数増える(1筆→複数)変わらない(1筆のまま)
申請義務なし(分けたいときに行う)なし(任意)
共通して必要なもの測量・筆界の確認・地積測量図の作成

分筆と地積更正がセットになる理由

分筆と地積更正は別の登記ですが、実務では一緒に行われることがあります。

分筆をするとき、もとの登記地積と、測量で求めた土地全体の実測面積とが、許容できる範囲を超えてずれていることがあります。

このとき、登記の地積が誤ったままでは分筆の申請ができないため、分筆の前提として地積更正登記が必要になります。先に(または同時に)地積を正しい面積に直してから、土地を分けるという流れです。

逆に、登記地積と実測のずれが許容範囲に収まっていれば、地積更正をせずに分筆だけを行えます。

混同しやすい用語の整理

「更正登記」と「変更登記」

地積更正は、登記内容がもともと間違っていたのを直す「更正」登記です。これに対して変更登記は、土地の現状が後から変わったことに合わせて直す登記です。「間違いの訂正=更正」「現状変更への対応=変更」という区別を押さえておきましょう。

まちがえやすいポイント

「分筆=面積を直す登記」と覚えてしまうのは誤りです。分筆はあくまで土地を分ける登記で、面積の数字を直すのは地積更正の役割です。両者がセットで行われる場面があるため混ざりやすいので、「分ける=分筆/直す=地積更正」と目的で切り分けて押さえましょう。

理解度チェック

Q. 地積更正登記には申請義務がある。○か×か。

×。地積更正登記は任意で、申請義務はありません。登記地積が誤っていても、必ず直さなければならないわけではありません(ただし分筆の前提として必要になる場合があります)。

Q. 分筆登記をすると、土地の筆の数はどうなるか。

増えます。分筆は1筆の土地を2筆以上に分ける登記なので、筆の数が増えます。地積更正は筆の数が変わりません。

Q. 登記内容がもともと間違っていたのを直すのは「変更登記」である。○か×か。

×。もともとの間違いを直すのは「更正登記」です。変更登記は、土地の現状が後から変わったことに合わせて直す登記です。

まとめ

分筆は「土地を分ける」登記、地積更正は「登記の面積の誤りを実測に直す」登記です。筆の数が増えるのが分筆、面積の数字を直すのが地積更正、と目的で見分けましょう。

登録免許税(表示登記は原則非課税・分筆合筆は1個1,000円)

過去問でどう問われたか(年度別)

この論点が問われた過去問です。正答は法務省公表の正解によります。各問の解説は年度・問番号から確認できます。

年度・No.正答問われた論点
令和7 No.113分筆の登記
令和7 No.21記述記述式(土地) 分筆・地積更正・座標計算
令和6 No.72地積に関する更正の登記
令和6 No.81土地の分筆の登記
令和5 No.55表題部の登記記録等
令和5 No.94土地の分筆の登記
令和5 No.21記述記述式(土地) 筆界点の判断・地図作成事業と職権の分筆合筆
令和4 No.75土地の表題部の変更又は更正の登記
令和4 No.83土地の分筆の登記
令和4 No.21記述記述式(土地) 筆界と所有権界・交換と分筆・本人確認情報
令和3 No.113分筆の登記
令和3 No.21記述記述式(土地) 遺産分割と分筆・地図に準ずる図面
令和2 No.84地積に関する更正の登記
令和2 No.94土地の分筆の登記
令和2 No.195登録免許税
令和2 No.21記述記述式(土地) 筆界不明の土地・登記識別情報
令和元 No.115一の申請情報による申請
令和元 No.144登記の代位申請
令和元 No.194登記事項の記録(分筆・合筆の沿革)
令和元 No.21記述記述式(土地) 分筆・筆界特定の対象土地と関係人
平成30 No.85土地の表示に関する登記
平成30 No.21記述記述式(土地) 分筆・筆界の意義
平成29 No.63申請情報
平成29 No.133登記原因たる事実と登記の目的
平成29 No.21記述記述式(土地) 合筆・分筆と地積更正の要否
平成26 No.95地積の更正の登記
平成26 No.101分筆の登記
平成23 No.61分筆の登記の申請
平成23 No.103一の申請情報で申請する登記
平成22 No.112地積に関する更正の登記

※正答は法務省公表の正解(標準解答)によります。

参考にした資料

・不動産登記法・不動産登記規則(第78条 ほか)/法務省「隣の土地の所有者が分からなくてお困りの方へ(分筆や地積更正の登記のとき)

・神奈川県土地家屋調査士会「土地を分けたいとき(土地分筆登記)」、地積更正登記に関する土地家屋調査士事務所の解説 ほか

独学で学ぶ土地家屋調査士 編集部

この記事を書いた人

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土地家屋調査士試験の用語・条文・記述式・測量計算を、法務省の公式情報と最新の法令に照らして整理しています。

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