ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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コンクリート造工作物の解体とは?高さ5m以上で作業主任者を技能講習修了者から選任する

けんせつる

けんせつる

解体の作業主任者って、技能講習と特別教育のどっち?

立入禁止にするのは「作業主任者以外」でいいの?

この記事の要点

高さ5m以上のコンクリート造工作物の解体作業では、解体等作業主任者を技能講習修了者から選任し、直接指揮させます。

立入禁止にするのは「関係する作業従事者以外の者」です。「作業主任者以外」とする引っかけに注意します。

ビルや橋脚などのコンクリート造工作物を壊す作業は、倒壊や落下の危険が大きいため、労働安全衛生法で安全のしくみが決められています。

高さ5m以上のコンクリート造工作物の解体・破壊作業では、解体等作業主任者を技能講習修了者から選任し、作業を直接指揮させる必要があります。

作業主任者は特別教育ではなく技能講習を修了した者から選びます。事業者は、作業計画の作成、立入禁止区域の設定、控えの設置などを行い、倒壊・飛来落下から労働者を守ります。

なぜ5m以上なのか、なぜ技能講習なのか

作業主任者を選ばなければならない作業は、労働安全衛生法施行令 第6条に並んでいます。解体はその第15号の5で、コンクリート造の工作物(その高さが5メートル以上であるものに限る)の解体又は破壊の作業と書かれています。

5mという線引きは、壊したものが落ちてくる高さです。コンクリートの塊が5mの高さから落ちれば、当たった人は助かりません。同じ条には「軒の高さが5メートル以上の木造建築物」もあり、5mは人の身に危険が及ぶ高さの目安としてくり返し出てきます。

選任の要件が技能講習なのも理由があります。特別教育は「その作業を安全にやるための教育」ですが、作業主任者は他人の作業を決めて指揮する立場です。自分が安全にやれるだけでは足りず、人の配置を判断できる必要があるので、より重い技能講習が求められます。「特別教育でよい」とする肢は、ここを取り違えさせる作りです。

作業主任者の職務と事業者の措置

「誰がやることか」が引っかけになります。

区分 内容
解体等作業主任者の職務 作業の方法・労働者の配置を決定し、作業を直接指揮する/器具・工具・保護帽などを点検する
事業者の措置 作業主任者の選任/作業計画の作成/立入禁止区域の設定/引き倒しの合図・周知/悪天候時の中止

立入禁止にするのは関係する作業従事者以外の者です。作業主任者は指揮のため立ち入るので、「作業主任者以外の者を立ち入らせてはならない」とするのは誤りです。作業主任者の制度全体ともあわせて押さえます。

なぜ「作業主任者以外」だと間違いなのか

立入禁止の対象は、条文(労働安全衛生規則 第517条の15第1号)で次のように決まっています。

  • 当該作業を行う区域内に関係する作業従事者以外の者が立ち入ることについて、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止すること

「作業主任者以外」としてしまうと、実際に解体をしている作業員まで入れなくなります。それでは工事になりません。禁止したいのは関係のない人であって、作業に必要な人ではありません。言葉を丸暗記せず、誰を締め出したいのかを考えれば取り違えません。

条文の言い回しは「関係する作業従事者以外の」です。以前は「関係労働者以外の労働者」でしたが、雇われている労働者だけでなく、一人親方などその場にいる人も守る形に改められました。労働者に限らないのが今の書き方です。

事業者がやること、作業主任者がやること

解体の出題は、主語のすり替えが中心です。条文の主語で分けると次のようになります。

誰がやること条文
事業者あらかじめ形状・き裂の有無・周囲の状況を調査し、作業計画を定める第517条の14
立入禁止の表示、悪天候時の作業中止、つり綱・つり袋の使用第517条の15
引倒しの合図を定め、関係労働者に周知する第517条の16
作業主任者を技能講習修了者から選任する第517条の17
作業主任者作業の方法・労働者の配置を決定し、直接指揮する第517条の18
器具・工具・墜落制止用器具・保護帽の機能を点検し、不良品を取り除く
墜落制止用器具・保護帽の使用状況を監視する

分け方には筋があります。事業者は「作業が始まる前に決めること」、作業主任者は「その場で見て指揮すること」です。だから「事業者が直接指揮する」は誤りになります。事業者は会社であって、現場に立って指示する立場ではありません。

作業計画に何を書くかも問われます。①作業の方法及び順序 ②使用する機械等の種類及び能力 ③控えの設置・立入禁止区域の設定など、倒壊・落下から労働者を守るための方法、の3つです。このうち①と③は、関係労働者に周知しなければなりません。

過去問でどう問われたか(年度横断)

解体作業は、ほぼ毎年、級を問わず出題されます。作業主任者の選任(技能講習)・職務(直接指揮)・立入禁止の対象の取り違えが引っかけです。

年度・級 テーマ 問われ方・引っかけ
平成27・1級 解体等作業主任者 選任要件と職務(直接指揮・点検)
平成28・1級 事業者の措置 控えの設置・立入禁止区域・倒壊落下防止の方法を作業計画に示す
令和4・2級 立入禁止の対象 「作業主任者以外の者を立入禁止」は誤り(関係労働者以外)
令和5・2級 直接指揮 作業方法・配置を決定し直接指揮するのは作業主任者(事業者でない)
令和6・1級 作業主任者の選任 技能講習修了者から選任する(特別教育は誤り)
令和6・2級 直接指揮 「事業者が直接指揮」は誤り(作業主任者の職務)
令和7・2級 立入禁止の対象 「作業主任者以外の者を立入禁止」は誤り(関係労働者以外)
令和8・2級 立入禁止の対象 「作業主任者以外の者を立入禁止」は誤り(関係労働者以外)

混同しやすい用語

作業主任者の職務と事業者の措置

作業を直接指揮するのは作業主任者の職務です。作業主任者の選任・作業計画・立入禁止区域の設定・引き倒しの合図は事業者の措置です。「事業者が直接指揮する」「作業主任者を特別教育で選任する」といった主体や手続きの取り違えがよく問われます。

まちがえやすいポイント

高さ5m以上の解体作業では、解体等作業主任者を技能講習修了者から選任します(特別教育は誤り)。作業を直接指揮するのは作業主任者の職務です。立入禁止にするのは「関係する作業従事者以外の者」で、「作業主任者以外の者」とするのは誤りです(主任者は指揮のため立ち入る)。

悪天候で危険が予想されるときは作業を中止します(くわしくは悪天候による作業中止)。

理解度チェック

問題:高さ5m以上のコンクリート造工作物の解体作業では、解体等作業主任者を技能講習修了者から選任する。

〇か×か。

答え:

特別教育ではなく、技能講習を修了した者から選任します。

問題:解体作業では、作業主任者以外の者を作業区域内に立ち入らせてはならない。

〇か×か。

答え:×

立入禁止にするのは「関係する作業従事者以外の者」です。作業主任者は指揮のため立ち入ります。

問題:解体作業で、作業の方法・労働者の配置を決定して直接指揮するのは事業者である。

〇か×か。

答え:×

直接指揮するのは解体等作業主任者の職務です。事業者は選任や作業計画などを行います。

まとめ

コンクリート造工作物の解体作業は、高さ5m以上で作業主任者の選任などが義務になります。

作業主任者は技能講習修了者から選任して直接指揮、立入禁止は関係労働者以外が、繰り返し問われる引っかけです。

あわせて作業主任者の制度全体や悪天候による作業中止も確認すると、安全管理がつながります。

参考資料

  • 労働安全衛生法施行令 第6条第15号の5 e-Gov法令検索
  • 労働安全衛生規則 第517条の14〜第517条の19 e-Gov法令検索
  • 建設業労働災害防止協会「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習」

※ 基準・手続は改正されることがあります。最新の法令・公式情報で確認してください。

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