ゼロから学ぶ土木施工管理|資格のT

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場所打ち杭工法とは?オールケーシングは鋼管・リバースは静水圧・アースドリルは安定液で孔壁を守る

けんせつる

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リバース工法って、何で孔の壁を守るの?

場所打ち杭の工法が混ざる…

この記事の要点

場所打ち杭工法には、オールケーシング・アースドリル・リバース・深礎があります。

工法ごとに孔壁の保護方法が違います。種類の違いと、過去問での問われ方を年度別に押さえます。

現場で地盤に孔を掘り、その中に鉄筋とコンクリートを入れてつくる杭を場所打ち杭といいます。工法ごとの孔壁の守り方が、試験でよく問われます。

場所打ち杭工法には、オールケーシング・アースドリル・リバース・深礎があり、工法ごとに孔壁の保護方法が異なります。

場所打ち杭工法の種類

地盤を掘った孔の壁(孔壁)が崩れないように守る方法で、次のように分かれます。場所打ち杭は、工場でつくる既製杭と違い、現場で孔を掘ってつくります。

場所打ち杭工法(オールケーシング・アースドリル・リバース・深礎)の分類ツリー 場所打ち杭工法 オールケーシング アースドリル リバース 深礎
場所打ち杭工法。孔壁の守り方が工法ごとに異なります(リバースはリバースサーキュレーション工法)。

各工法と孔壁の保護

オールケーシング工法

オールケーシング工法は、ケーシングチューブという鋼管を孔の全長に入れて孔壁を保護し、ハンマグラブで土を掘り出す工法です。ケーシングで物理的に壁を支えます。

アースドリル工法

アースドリル工法は、回転するバケットで掘削し、安定液(ベントナイトなどの泥水)で孔壁を保護する工法です。孔の表層部だけにケーシングを用います。

リバースサーキュレーション工法

リバースサーキュレーション工法は、孔口にスタンドパイプを建て、孔の中を泥水で満たして、その水の圧力(静水圧)で孔壁を保護する工法です。掘った土は泥水とともに排出します。

深礎工法

深礎工法は、人力や機械で掘りながら、土留め材(ライナープレートなど)で孔壁を保護する工法です。比較的大きな径の杭をつくれます。

なぜ水の圧力で孔壁が支えられるのか

ケーシングや土留め材は「板で押さえる」ので直感的ですが、リバース工法とアースドリル工法は水で支えます。この理屈が分かると、工法の入れ替えを覚え直さずに済みます。

孔の中を泥水で満たし、孔内の水位を地下水位より高く保つのがポイントです。水は深いほど強く横に押すので、水位が高いほど孔の内側から外へ押す力が強くなります。外の地下水と土が内側へ押す力より、この力が上回っているあいだ、壁は崩れてきません。

この水位の差を水頭差といい、リバース工法では地下水位より2m以上を確保します。土木学会の発表資料でも、孔壁の安定は「表層付近に設けるスタンドパイプと、地下水位と孔内水の間の2m以上の水頭差による水頭圧により保たれている」と説明されています。

つまり水頭差2m以上が目安です。ここから、現場で何が起きると危ないかも読めます。孔内の水位が下がれば水頭差が消えるので、掘削中に水が急に引いたら、すぐ足さなければ崩れます。地下水位より低い水位で掘るなど論外です。

もう一つ、泥水は細かい土の粒を含んだ水である点も効いています。粒が孔の壁にはりついて薄い膜(マッドケーキ)をつくり、水が地盤へ逃げにくくなります。ただの清水では水が抜けて水位を保てません。

アースドリル工法の安定液(ベントナイト泥水)も同じ考え方です。違いは、リバースが孔を満たした泥水の圧力を主役にするのに対し、アースドリルは膜をつくる安定液で壁を固める点にあります。

掘り方と土の出し方も工法ごとに違う

過去問では孔壁の保護だけでなく、掘削機械と排土の方法もセットで問われます。「オールケーシングを泥水で吸い上げる」といった引っかけは、ここを覚えていれば見抜けます。

工法孔壁の保護掘削する機械土の出し方
オールケーシングケーシングチューブ(全長)ハンマグラブハンマグラブでつかんで上げる
アースドリル安定液(表層だけケーシング)回転バケットバケットに入れて上げる
リバーススタンドパイプ+泥水の静水圧回転ビット泥水と一緒に吸い上げる
深礎土留め材(ライナープレートなど)人力・小型機械バケットで巻き上げる

リバース工法の名前は、この排土方法から来ています。ふつうのボーリングは泥水をロッドの中へ送って外側から返しますが、リバースは逆向きに、パイプの中を通して土ごと吸い上げるので「逆循環(リバースサーキュレーション)」と呼びます。名前が排土方法そのものなので、覚え直す必要はありません。

深礎工法だけは人が孔に入って掘るため、他の3工法と性格が違います。機械が入れない斜面でも施工でき、大きな径をつくれる一方、孔の中の作業になるので酸素欠乏や落下物の危険がつきまといます。

混同しやすい用語

オールケーシング工法 と リバース工法

どちらも場所打ち杭工法ですが、孔壁の守り方が違います。オールケーシング工法は、鋼管(ケーシングチューブ)を孔に入れて、物理的に孔壁を支えます。リバース工法は、孔を泥水で満たし、その水の圧力(静水圧)で孔壁を支えます。鋼管で支えるのがオールケーシング、水の圧力で支えるのがリバース、と分けて覚えます。

過去問でどう問われたか

場所打ち杭工法は、平成22年度から令和7年度まで、2級・1級でほぼ毎年問われています。引っかけは、工法と孔壁の保護方法・使用機材の取り違えです。

  • ①孔壁の保護方法の取り違え(リバースを「ケーシング」、アースドリルを「全長ケーシング」とする)
  • ②工法と機材・掘削方法の取り違え(オールケーシングを「泥水で吸い上げる」とする)
年度・級・No.問われ方/引っかけ
令和7年度 2級 No.15オールケーシング工法を「掘削孔を水で満たし、掘削土とともに地上に吸い上げる」とするのは誤り(それはリバース工法。オールケーシングはケーシングチューブとハンマグラブ)
令和6年度 2級 No.15アースドリル工法の孔壁保持を「(全長の)ケーシング」とするのは誤り(安定液=ベントナイト泥水で保持し、表層部だけケーシング)
平成26年度 2級 No.10場所打ち杭工法と使用機材の組合せ(オールケーシング・深礎・アースドリル・リバースの機材)が問われた
平成22年度 1級 No.14支持層の確認。リバース工法を「目視」で確認とするのは誤り(アースドリル工法はバケットの掘削試料で土質・深度を確認)

核心は工法と孔壁の保護方法の取り違えです。リバース工法の孔壁保護を「ケーシング」、オールケーシング工法を「泥水で満たして吸い上げる」とする記述は誤りです。オールケーシングはケーシングチューブで物理的に孔壁を支え、リバースはスタンドパイプと泥水の圧力(静水圧)で支えます。

工法名は「孔壁を何で守るか(鋼管か、泥水の圧力か、安定液か)」とセットで覚えると、入れ替えの引っかけに強くなります。

理解度チェック

問題:オールケーシング工法は、ケーシングチューブを孔に入れて孔壁を保護し、ハンマグラブで掘削する。

〇か×か。

答え:

オールケーシング工法はケーシングチューブで孔壁を保護し、ハンマグラブで掘ります。

問題:リバースサーキュレーション工法は、ケーシングチューブで孔壁を保護する工法である。

〇か×か。

答え:×

リバース工法はスタンドパイプと泥水の圧力で孔壁を保護します。ケーシングを使うのはオールケーシング工法です(令和7年度 2級 No.15)。

問題:アースドリル工法は、回転するバケットで掘削し、安定液で孔壁を保護する。

〇か×か。

答え:

アースドリル工法は安定液で孔壁を保護し、表層部だけケーシングを用います(令和6年度 2級 No.15)。

まとめ

場所打ち杭工法には、オールケーシング・アースドリル・リバース・深礎があります。

オールケーシングはケーシングチューブ、アースドリルは安定液、リバースはスタンドパイプと泥水で孔壁を保護するのが要点です。

リバース工法をケーシングで保護するとした誤りが、過去問でよく問われます。

参考資料

  • 日本道路協会「道路橋示方書(下部構造編)」
  • 日本道路協会「杭基礎施工便覧」
  • 鈴木健一・高崎秀明・大塚隆人「場所打ち杭における表層地盤の安定に対する解析と考察について」土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)Ⅵ-242
  • 過去問の問われ方は、全国建設研修センター公表の試験問題(平成22年度〜令和7年度)にもとづきます(問題文は転載せず論点のみ記載)。

※ 工法・孔壁保護は標準的な内容です。基準の改定や現場条件で変わるため、最新の資料で確認してください。

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土木施工管理技士試験で過去に問われた用語・数値・施工手順を、官公庁の仕様書や日本道路協会の便覧に照らして整理しています。

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