令和8年2月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問6は、作業環境測定士の資格・登録と業務範囲に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、作業環境測定士になるまでの流れ(試験合格+登録講習修了で資格、名簿への登録で測定士になる)と、登録の種別ごとにどこまで測定できるかを問うものです。
引っかけの核心は、「登録した物質の測定しかできない」と業務範囲を狭く読みすぎるところにあります。
光散乱方式の相対濃度計(デジタル粉じん計)による相対濃度指示方法の測定は、登録の種別とは切り離して扱われる点が分かれ目です。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 試験に合格し、登録講習機関の講習を修了した者が作業環境測定士となる資格を持つので正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 資格を持つ者が測定士になるには、指定登録機関の作業環境測定士名簿に登録を受けるので正しい。 |
| 3 | ×(誤り) | 放射性物質のみ登録の測定士が、光散乱方式の相対濃度計による鉱物性粉じんの測定を「行えない」とするのが誤り。相対濃度指示方法の測定は登録の種別を問わず行える。 |
| 4 | ○(正しい) | 第2種作業環境測定士は、検知管方式の測定機器による分析の業務を行えるので正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 著しい騒音の等価騒音レベルの測定は、測定士でない者も行えるので正しい。 |
第1種作業環境測定士は、登録を受けた物質の種別(鉱物性粉じん、放射性物質、特定化学物質、有機溶剤など)ごとに、その物質の作業環境測定を担当します。
放射性物質のみ登録を受けた測定士が、鉱物性粉じんの「分析」を担えないこと自体は、考え方として間違っていません。
ただし選択肢3が題材にしているのは、光散乱方式の相対濃度計(デジタル粉じん計)を用いた相対濃度指示方法による測定です。
これは粉じんの量を直接の質量ではなく相対値で読み取る簡易な指示方法で、専門的な分析の知識を要しないため、登録の種別とは切り離して、誰が登録を受けた測定士でも行える取り扱いになっています。
したがって、放射性物質のみ登録の測定士であっても、相対濃度指示方法による鉱物性粉じんの測定は担えます。
それを「放射性物質の登録しかないから、鉱物性粉じんの測定は行えない」と業務範囲を狭く読んでしまうところが、この選択肢の誤りです。
鉱物性粉じんの「分析」と、相対濃度指示方法による「測定」は別物として線を引くのが要点です。
問題:放射性物質に係る登録のみを受けた第1種作業環境測定士は、光散乱方式の相対濃度計による鉱物性粉じんの測定を行えないか。
いいえ、行えます。相対濃度指示方法による測定は、登録を受けた物質の種別を問わず担えます。鉱物性粉じんの専門的な分析は登録の種別に左右されますが、相対濃度計による相対濃度指示方法の測定はそれとは別に扱われます。
問題:作業環境測定士となる資格を得た者は、その時点で作業環境測定士として業務を行えるか。
資格を持つだけでは足りません。指定登録機関に備えられた作業環境測定士名簿に、所定の事項について登録を受けて、はじめて作業環境測定士となります。資格(試験合格+登録講習修了)と、名簿への登録は別の段階です。
出典
※ 最終更新:2026年6月