令和8年2月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問13は、特定化学物質障害予防規則に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、特化則の基本ルール(第1類物質の製造許可、シアン化合物排液の処理装置、特定化学設備の漏えい防止規程、特別有機溶剤業務の作業主任者、第3類物質漏えい時の医師の措置)を横断的に確かめるものです。
引っかけの核心は、許可が必要になる人の範囲を広げてしまうところにあります。
第1類物質であらかじめ厚生労働大臣の許可を要するのは製造しようとする者であり、取り扱おうとする者まで大臣の許可を求める書き方が誤りです。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢1(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 第1類物質で厚生労働大臣の許可が必要なのは製造しようとする者。取り扱おうとする者まで大臣許可とした点が誤り。 |
| 2 | ○(正しい) | シアン化ナトリウム等を含む排液には、酸化・還元方式、活性汚泥方式等の排液処理装置を設けるとするのは正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | 特定化学設備の作業では、取り扱う物質の漏えいを防止する規程を定め、これにより作業を行わせるとするのは正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 特別有機溶剤業務の特定化学物質作業主任者を、有機溶剤作業主任者技能講習の修了者から選任するとするのは正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 第3類物質が漏えいし労働者が汚染・吸入したとき、遅滞なく医師の診察・処置を受けさせるとするのは正しい。 |
第1類物質は、特定化学物質のなかでも特に有害性が高く、その製造そのものを国が事前に管理する区分です。
だからこそ、第1類物質を製造しようとする者は、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けることが求められます。許可の主語は、あくまで「製造しようとする者」です。
選択肢1は、ここに「又は取り扱おうとする者」を加え、取り扱うだけの者まで大臣の許可を要するかのように書いています。
製造する者と、できあがった物を取り扱う者は別であり、取り扱おうとする者まで厚生労働大臣の製造許可の対象に含めた点が誤りです。
許可が誰にかかるのかという範囲のすり替えに気づけるかが問われています。
問題:第1類物質について、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けなければならないのは、どのような者か。
製造しようとする者です。取り扱おうとする者まで大臣の許可を要するわけではありません。許可は製造に対してかかる点を押さえます。
問題:特別有機溶剤業務に係る特定化学物質作業主任者は、どの技能講習の修了者から選任するか。
有機溶剤作業主任者技能講習の修了者から選任します。特別有機溶剤は有機溶剤としての性質をもつため、有機溶剤側の作業主任者技能講習が要件になります。
出典
※ 最終更新:2026年6月