令和7年8月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問3は、労働安全衛生規則に基づく健康診断に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、健康診断をめぐる事業者の義務を横断的に問うものです。
受診先の選択(指定医師か他の医師か)、海外派遣前の健診、健康診断個人票の保存、リスクアセスメント対象物に係る健診と、論点が一問にまとまっています。
引っかけの核心は、健診後の医師からの意見聴取を「誰について行うか」です。
意見聴取の対象は異常の所見があると診断された労働者であって、所見の有無にかかわらず受診者全員ではありません。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 事業者が指定した医師の健診を希望しない労働者は、他の医師の健診を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出するので正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 労働者を海外に6か月以上派遣しようとするときは、あらかじめ医師による健康診断を行うので正しい。 |
| 3 | ×(誤り) | 意見聴取を「所見の有無にかかわらず」全員について行うとするのが誤り。対象は異常の所見があると診断された労働者に限られる。 |
| 4 | ○(正しい) | 健康診断個人票は、雇入時・定期のいずれについても5年間保存するので正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | リスクアセスメント対象物を取り扱う業務に常時従事する労働者について、必要に応じ医師等が認める項目の健診を行うので正しい。 |
健康診断を実施したら、事業者はその結果を踏まえて就業上の措置を検討します。
その際、医師からの意見聴取が義務づけられるのは、健診の結果異常の所見があると診断された労働者についてです。
所見が無いと判定された人まで含め、受診者全員について意見聴取を行う、という規定ではありません。
選択肢3は、ここを「異常の所見の有無にかかわらず」と広げ、所見の無い人も含めた全員に意見聴取を行うと書いている点が誤りです。
意見聴取は結果から3か月以内に行うという期間の部分は正しいので、引っかかりやすい作りになっています。誤りは期間ではなく、対象者の範囲にあります。
就業上の措置は、所見があった人に対して労働時間の短縮や配置転換などを検討するための仕組みです。
だからこそ意見聴取も所見のある人を対象にする、という流れで押さえると取り違えにくくなります。
問題:健康診断を実施した後の医師からの意見聴取は、受診した労働者全員について行わなければならないか。
いいえ。意見聴取が義務づけられるのは、健診の結果、異常の所見があると診断された労働者についてです。所見の有無にかかわらず全員に行う、という規定ではありません。期間は結果から3か月以内です。
問題:健康診断個人票は、雇入時の健診と定期健診で保存期間が違うか。
違いません。雇入時の健診に係るものも、定期健診に係るものも、いずれも5年間保存します。なお海外派遣の健診は、6か月以上派遣しようとするときに、派遣前にあらかじめ行います。
出典
※ 最終更新:2026年6月