令和7年2月の作業環境測定士試験 労働衛生一般 問18は、労働衛生保護具に関する問題です。
遮光保護具・聴覚保護具・保護クリーム・化学防護手袋・防振手袋という5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、目・耳・皮膚・手を守るそれぞれの保護具について、用途と使い方の基本を横断的に問うものです。
引っかけの核心は聴覚保護具にあり、「騒音が非常に大きい場合でも耳栓とイヤーマフを併用してはならない」という、現場の遮音の考え方と逆の記述が混ぜ込まれています。
実際は逆で、騒音が非常に大きいときこそ両者を重ねて使い、遮音性能を高めます。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢2(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 遮光保護具は、紫外線・赤外線・強烈な可視光線から目を守るためのもので、用途の記述として正しい。 |
| 2 | ×(誤り) | 聴覚保護具に耳栓とイヤーマフがある点は正しいが、騒音が非常に大きい場合は両者を併用して遮音性能を高めるので、「併用してはならない」が誤り。 |
| 3 | ○(正しい) | 保護クリームは皮膚の露出部に塗って防護層を作り、有害な化学物質の直接付着を防ぐもので、作業後に洗い落とすという記述も正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 化学防護手袋への化学物質の侵入経路に、材料を分子レベルで通り抜ける「透過」と、縫合部やピンホールを通る「浸透」がある点は正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 振動障害は手指の末梢から生じるため、防振手袋は振動吸収材が指先まであるものを選ぶ、という記述は正しい。 |
聴覚保護具には、耳の穴に入れる耳栓と、耳全体を覆うイヤーマフの2種類があります。ここまでは正しい記述です。
誤りは、その後に続く「騒音が非常に大きい場合であっても、両者を併用してはならない」という部分です。
実際の使い方は逆で、耳栓とイヤーマフを併用すると、それぞれ単独で使うよりも高い遮音性能が得られます。
そのため、騒音が非常に大きく、片方だけでは十分に防ぎきれない場面では、両者を重ねて使うのが有効な対策です。
「併用してはならない」と禁止の形で言い切っているところが、現場の考え方とちょうど反対になっています。
なお、併用しても遮音量は単純な足し算にはならず、上限に近づくと頭打ちになる点も知っておくと、過剰な期待による遮音不足の見落としを避けられます。
問題:騒音が非常に大きい場合、耳栓とイヤーマフを同時に使ってよいか。
使ってよく、むしろ有効です。両者を併用すると、それぞれ単独で使うよりも高い遮音性能が得られるため、片方だけでは防ぎきれない大きな騒音への対策になります。
問題:化学防護手袋に化学物質が侵入する経路として、「透過」と「浸透」はどう違うか。
透過は、手袋の材料そのものを分子レベルで通り抜けて内側へ達する経路です。浸透は、手袋の縫合部やピンホールなどの隙間を通って入る経路です。表面に欠陥がなくても透過は起こり得る点が違いです。
出典
※ 最終更新:2026年6月