作業環境測定士 独学ノート
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令和7年2月 作業環境測定士試験 労働衛生一般 問16を解説(電離放射線)

令和7年2月の作業環境測定士試験 労働衛生一般 問16は、電離放射線に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。

この問題のポイント

この問題は、放射線が電離放射線と非電離放射線のどちらに分類されるか、そして電離放射線が人体に与える影響(電荷の正負・急性障害・確定的影響・確率的影響)の基本を問うものです。

引っかけの核心は1点で、電荷をもつかどうかで電離放射線と非電離放射線を分けると思い込ませる点にあります。

分類の基準は電荷の有無ではなく、物質を電離させる作用があるかどうかです。

※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。

正解:選択肢1(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1×(誤り)X線・γ線・中性子線を「電荷をもたないので非電離放射線」とするのが誤り。これらは電荷がなくても物質を電離する電離放射線
2○(正しい)α線は正の電荷、β線は負の電荷をもつので正しい。電荷をもつ放射線の代表例。
3○(正しい)皮膚の急性障害が線量の少ない順に脱毛・紅斑・水疱・潰瘍と重くなるのは正しい。
4○(正しい)確定的影響には影響が出始める最低の線量(しきい値)があり、線量が増えると重篤度も増すので正しい。
5○(正しい)突然変異や染色体異常などの遺伝的影響が確率的影響に当たるのは正しい。

選択肢1のポイント(ここが誤り)

放射線を電離放射線と非電離放射線に分ける基準は、物質を電離させる作用があるかどうかです。電荷をもっているかどうかは分類の基準ではありません。

選択肢1は、X線・γ線・中性子線を「電荷をもたないから非電離放射線」としています。

確かにこの3つは電荷をもちませんが、いずれも物質に当たると原子から電子をはじき出して電離させる作用をもつため、電離放射線に分類されます。

電荷の有無と電離作用の有無は別の話で、ここを結びつけてしまうのが引っかけです。

実際に非電離放射線に当たるのは、紫外線・可視光線・赤外線・マイクロ波・電波など、電離を起こすほどのエネルギーをもたない電磁波です。

X線やγ線は同じ電磁波でもエネルギーが高く電離作用をもつため、波長で言えば紫外線よりさらに短い側に位置します。

電荷をもたない電磁波であっても電離放射線に含まれる、という点を押さえれば、この肢が誤りだと判断できます。

覚え方

  • 電離・非電離を分ける基準=電離作用の有無(電荷の有無ではない)
  • 電荷をもたない電離放射線=X線・γ線・中性子線
  • 非電離放射線=紫外線・可視光線・赤外線・電波(電離するエネルギーが足りない側)
  • 電荷をもつ放射線=α線(正)・β線(負)
  • しきい値あり=確定的影響(重篤度が増す)/しきい値なし=確率的影響(遺伝的影響・発がん)

理解度チェック

問題:X線やγ線は電荷をもたないので非電離放射線に分類されるか。

答えを見る

いいえ。X線・γ線・中性子線は電荷をもちませんが、物質を電離させる作用があるため電離放射線です。分類の基準は電荷の有無ではなく電離作用の有無で、非電離放射線は紫外線・可視光線・赤外線・電波などを指します。

問題:確定的影響と確率的影響の違いは何か。

答えを見る

確定的影響には影響が出始める最低の線量(しきい値)があり、線量が増えると障害の重篤度も増します。これに対し、突然変異や染色体異常などの遺伝的影響や発がんは、しきい値がないと考えられる確率的影響に分類されます。

出典

  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「作業環境測定士試験(労働衛生一般)令和7年2月」公表試験問題 問16・公表正答。
  • 電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号)(e-Gov法令検索)。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。