令和7年2月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問2は、労働安全衛生規則に基づく健康診断に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、健康診断をめぐる細かな手続き(雇入時健診の項目省略、医師が認める項目省略、特殊健診の頻度と個人票の保存、異常所見への意見聴取)を横断的に問うものです。
引っかけの核心は、健康診断を「誰が行うか」です。
健康診断は医師が行えばよく、専属の産業医を選任していても、その産業医自身が行わなければならないと実施者を限定する規定はありません。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢1(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 専属の産業医を選任していても、その産業医自身が健康診断を行わなければならないわけではない。健康診断は医師が行えばよい。 |
| 2 | ○(正しい) | 健診後3か月以内の者を雇い入れ、その結果を証明する書面を提出したときは、相当する項目を雇入時健診で省略できるので正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | 医師が必要でないと認めて省略できるのは定期健診の項目であり、雇入時健診では省略できないとするのは正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 塩化水素を発散する業務では6か月以内ごとに1回の特殊健診を行い、個人票を5年間保存するとするのは正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 定期健診で異常所見があった者について、3か月以内に医師から意見を聴き個人票に記載するとするのは正しい。 |
健康診断は、医師が行うべきものとして定められています。求められているのは医師が実施することであって、社内のどの医師が行うかまでは限定されていません。
外部の医療機関への委託でも、要件を満たす医師が行えば差し支えありません。
選択肢1は、専属の産業医を選任している事業場では「健康診断は当該産業医が行わなければならない」として、実施者をその産業医ひとりに縛っています。
ここが誤りです。産業医の選任義務と、健康診断を誰が実施するかは別の話で、専属の産業医がいることは、その産業医自身が健診を行う根拠にはなりません。
選任された専属の産業医が結果として健診を担当することはあり得ますが、それは「行わなければならない」という義務ではありません。
条文が定めているのは医師が行うことまでで、産業医に実施を一本化する規定は置かれていません。
問題:専属の産業医を選任している事業場では、健康診断はその産業医が行わなければならないか。
いいえ。健康診断は医師が行えばよく、専属の産業医がいても、その産業医自身が行うことを義務づける規定はありません。産業医の選任義務と健診の実施者は別の問題です。
問題:医師が必要でないと認めたとき健康診断の項目を省略できるのは、雇入時健診と定期健診のどちらか。
定期健診です。雇入時健診の項目は、医師が認めても省略できません。なお、雇入れ前3か月以内に健診を受けその結果を証明する書面を提出したときは、相当する項目を雇入時健診で省略できますが、これは別の仕組みです。
出典
※ 最終更新:2026年6月