令和7年2月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問11は、作業環境評価基準に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、A測定の結果から第1評価値・第2評価値を求め、それと管理濃度を比べて管理区分(第1〜第3)を決める手順を問うものです。
評価値の計算方法、A測定のみの場合、A測定とB測定を行った場合の区分決定と、評価の根幹がひととおり並んでいます。
引っかけの核心は第2評価値の計算に「算術平均値・標準偏差」を持ち込むところです。
第1評価値も第2評価値も、いずれもA測定値の幾何平均値と幾何標準偏差から算出します。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢2(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 測定値が管理濃度の10分の1に満たない測定点は、管理濃度の10分の1をその測定点の測定値とみなして区分できるので正しい。 |
| 2 | ×(誤り) | 第1評価値はA測定値の幾何平均値・幾何標準偏差から算出するが、第2評価値の計算に算術平均値・標準偏差を用いるとするのが誤り。第2評価値も幾何平均値・幾何標準偏差に基づく。 |
| 3 | ○(正しい) | A測定のみを行い、第2評価値が管理濃度を超えている単位作業場所は第3管理区分となるので正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | A測定とB測定を行い、A測定の第1評価値が管理濃度を超えていれば、B測定の結果にかかわらず第1管理区分にはならないので正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | A測定とB測定を行い、B測定値が管理濃度の2倍を超えていれば、A測定の結果にかかわらず第3管理区分となるので正しい。 |
作業環境評価基準では、A測定の結果から第1評価値と第2評価値という2つの代表値を求めます。
第1評価値は高めに出る側の値、第2評価値は平均に近い側の値で、管理区分を決める判定に使います。
どちらの値も、A測定値が対数正規分布に従うという前提のもとで、A測定値の幾何平均値と幾何標準偏差から算出します。
選択肢2は、第1評価値については幾何平均値・幾何標準偏差を用いると正しく述べていますが、第2評価値については算術平均値・標準偏差を用いるとしています。
ここが誤りです。第2評価値だけ計算のもとになる統計量が切り替わるわけではなく、第1評価値・第2評価値はいずれも同じ幾何平均値・幾何標準偏差から導きます。
2つの評価値で使う統計量が違うという思い込みが、この肢の引っかけになっています。
問題:第1評価値はA測定値の幾何平均値・幾何標準偏差から求めるが、第2評価値は算術平均値・標準偏差から求めるのか。
いいえ。第1評価値も第2評価値も、いずれもA測定値の幾何平均値と幾何標準偏差から算出します。A測定値が対数正規分布に従うという前提に基づくため、第2評価値だけ算術平均値・標準偏差に切り替わるわけではありません。
問題:A測定とB測定を行った場合、B測定値が管理濃度の2倍を超えていれば管理区分はどうなるか。
A測定の結果にかかわらず第3管理区分となります。B測定は労働者が有害物質に近づく場面の最大値を捉えるための測定なので、その値が管理濃度の2倍を超えるほど高ければ、A測定がどうであっても最も悪い区分に振り分けられます。
出典
※ 最終更新:2026年6月