令和6年8月の作業環境測定士試験 労働衛生一般 問19は、防毒マスクに関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、防毒マスクの区分(隔離式・直結式・直結式小型)、吸収缶の種類と破過、防じん機能の捕集効率区分、そして正しい着け方という基本を横断的に問うものです。
前半の4肢は知識の確認で、引っかけの核心は最後の着け方にあります。核心は、しめひもをヘルメットの上からかけると密着性が高まる、という向きの取り違えです。
実際は逆で、ヘルメットの上から回すと面体が顔から浮いて漏れの原因になります。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢5(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 形状と使用範囲で隔離式・直結式・直結式小型に区分し、隔離式が最も高い濃度まで使えるとするのは正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | メタノールは活性炭にほとんど吸着されず、試験用のシクロヘキサンより破過時間が著しく短くなるとするのは正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | 一酸化炭素用吸収缶が触媒作用で一酸化炭素を二酸化炭素へ酸化させるとするのは正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 防じん機能つき防毒マスクの粒子捕集効率の区分は、防じんマスクの区分と同じとするのは正しい。 |
| 5 | ×(誤り) | ヘルメットの上からしめひもをかけると密着性が高まるとするのが誤り。上から回すと面体が浮いて漏れる。 |
防毒マスクは、面体と顔のあいだにすきまがないことで初めて、吸い込む空気が吸収缶を通る前提が成り立ちます。
すきまがあると、毒気がそのまま面体の横から入り込み、吸収缶の能力とは無関係に守られなくなります。
だからしめひもは、頭部に直接かけて面体を顔へ引き寄せるように使います。
選択肢5は、しめひもをヘルメットの上から回すと密着性が高まるとしています。
ヘルメットの上から回すと、ひもが面体を顔へ引き寄せず、ヘルメットの分だけ面体が前へ浮きます。すきまが生まれて漏れの原因になるので、向きが逆です。
しめひもは、ヘルメットの下で頭部に直接かけて使うのが正しい着け方です。
問題:防毒マスクのしめひもを、ヘルメットの上から回して締めると面体の密着性は高まるか。
高まりません。逆です。ヘルメットの上から回すと面体が前へ浮いてすきまができ、漏れの原因になります。しめひもはヘルメットの下で頭部に直接かけ、面体を顔へ引き寄せて使います。
問題:有機ガス用吸収缶の除毒能力試験ではシクロヘキサンが使われるが、メタノールの破過時間はこれと比べてどうなるか。
著しく短くなります。メタノールは活性炭にほとんど吸着されないため、有機ガス用吸収缶では早く破過します。メタノールを扱う場面では破過の早さに注意が必要です。
出典
※ 最終更新:2026年6月