令和6年8月の作業環境測定士試験 労働衛生一般 問18は、労働衛生保護具に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、防じんマスク・送気マスク・聴覚保護具・化学防護服・化学防護手袋という保護具の選び方を横断で問うものです。
共通する考え方は、保護具は性能が高いほどよいのではなく、作業の状況やばく露の程度に合わせて適切なものを選ぶという点にあります。
引っかけの核心は、聴覚保護具を「作業の状況にかかわらず、できるだけ遮音効果が大きいもの」を選ぶとした記述です。
遮音しすぎると会話や警報音が聞こえず、かえって危険につながります。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | オイルミストが混在しても使える取替え式防じんマスクの区分はRL1・RL2・RL3で、粒子捕集効率が最も高いのはRL3なので正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 送気マスクは清浄な空気を外部から送り込む方式なので、酸素濃度18%未満の場所でも使えるという記述は正しい。 |
| 3 | ×(誤り) | 聴覚保護具を「作業の状況にかかわらず遮音効果の大きいもの」を選ぶとするのが誤り。会話や警報音の聴取など作業の状況に応じた遮音性能で選ぶ。 |
| 4 | ○(正しい) | 全身を覆う化学防護服を、気密服・陽圧服・密閉服に分けて説明しており正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 化学防護手袋の耐浸透性はクラス1〜4で、有害性が高い物質ほど数値の小さいクラスを選ぶという記述は正しい。 |
聴覚保護具(耳栓・耳覆い)は、騒音を遮るための保護具です。ここで起こしやすい思い込みが、遮る性能が高いほど安全だという発想です。
実際には、遮音性能は高ければよいというものではありません。
作業の現場では、必要な会話や、機械の異常を知らせる警報音、周囲の人の声などを聞き取る必要があります。
遮音効果が大きすぎる聴覚保護具を着けると、これらが聞こえなくなり、合図や警報を聞き逃して、かえって危険な状況を招くおそれがあります。
そのため、その場の騒音レベルと、聞き取るべき音の有無を踏まえて、ちょうどよい遮音性能のものを選びます。
選択肢3は、これを「作業の状況にかかわらず、できるだけ遮音効果が大きいものを選定する」と言い切っている点が誤りです。
正しくは、作業の状況を考慮して適切な遮音性能の聴覚保護具を選びます。
保護具は性能が高いほどよいのではなく、状況に合わせて選ぶ、という横断のルールに反しているのがこの肢です。
問題:聴覚保護具は、作業の状況にかかわらず、できるだけ遮音効果が大きいものを選べばよいか。
いいえ。遮音しすぎると必要な会話や警報音が聞こえず、かえって危険です。その場の騒音レベルと聞き取るべき音を踏まえ、作業の状況に合った適切な遮音性能のものを選びます。
問題:取替え式防じんマスクのRL1・RL2・RL3のうち、粒子捕集効率が最も高いのはどれか。
RL3です。数値が大きいほど捕集効率が高く、オイルミストが混在する場所でも使える区分として設定されています。
出典
※ 最終更新:2026年6月