令和6年8月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問2は、労働安全衛生規則に基づく健康診断に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、健康診断の種類ごとの義務を区別できるかを問うものです。
論点は、健診の実施頻度(深夜業は6か月以内ごと、海外6か月以上派遣の帰国時)、定期健康診断の事後措置(異常所見への医師の意見聴取、結果通知)、そして所轄労働基準監督署長への結果報告の5点です。
引っかけの核心は、報告義務がある健診の種類をすり替えたところにあります。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢5(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 深夜業を含む業務に常時従事する労働者には、6か月以内ごとに1回、定期に医師の健康診断を行うので正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 海外に6か月以上派遣して帰国した労働者を国内業務に就かせるとき(一時的な場合を除く)は、医師の健康診断を行うので正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | 定期健康診断で異常所見ありと診断された労働者は、必要な措置について実施日から3か月以内に医師の意見聴取を行うので正しい。 |
| 4 | ○(正しい) | 定期健康診断を受けた労働者には、異常所見の有無にかかわらず、遅滞なく結果を通知するので正しい。 |
| 5 | ×(誤り) | 常時50人以上で結果を所轄労働基準監督署長に報告するのは定期健康診断であり、雇入時の健康診断には結果報告義務はない。 |
所轄労働基準監督署長への健康診断結果報告書(定期健康診断結果報告書)の提出が義務づけられているのは、常時50人以上の労働者を使用する事業者が行う定期健康診断です。
報告の対象になる健診の種類が決まっている、という点がこの問題の幹になります。
選択肢5は、その報告義務を雇入時の健康診断に当てはめてしまっています。
雇入時の健康診断は、労働者を雇い入れる際に実施する健診で、所轄労働基準監督署長への結果報告は求められていません。
常時50人以上という人数の条件が共通して登場するため、定期と雇入時を入れ替えても一見もっともらしく読めてしまうのが、この肢の引っかけです。
つまり、報告義務という事後手続きが結びつくのは定期健康診断だけで、雇入時の健康診断に同じ報告義務を負わせるのは誤りです。
健診の種類と、その種類ごとに発生する手続きをセットで押さえると、このすり替えを見抜けます。
問題:常時50人以上の労働者に雇入時の健康診断を行った場合、その結果を所轄労働基準監督署長に報告しなければならないか。
いいえ。所轄労働基準監督署長への結果報告義務があるのは常時50人以上の定期健康診断です。雇入時の健康診断には、この結果報告義務はありません。
問題:定期健康診断で異常の所見があると診断された労働者について、医師の意見聴取はいつまでに行うか。
健康診断を実施した日から3か月以内です。結果通知は異常所見の有無にかかわらず遅滞なく行う一方、医師の意見聴取は3か月以内という期限が定められています。
出典
※ 最終更新:2026年6月