令和6年8月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問13は、特定化学物質障害予防規則(特化則)に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、特化則が定める各種の義務がどの作業場にかかるのかを問うものです。
作業主任者の選任・特殊健康診断・記録の保存などは屋外作業場にも及ぶ場面がある一方で、作業環境測定の義務は範囲が違います。
引っかけの核心は、特定化学物質の作業環境測定を、屋外作業場まで義務づけられているかのようにすり替えたところにあります。
測定義務の対象は屋内作業場に限られます。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢3(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 管理特定化学設備を、発熱反応の反応槽等で異常反応により特定化学物質が大量に漏えいするおそれのあるものとする説明で、定義どおり正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 金属をアーク溶接する作業は、屋外作業場で行う場合でも作業主任者の選任が必要で、正しい。 |
| 3 | ×(誤り) | 第2類物質の作業環境測定を「屋外作業場であっても実施しなければならない」とするのが誤り。測定義務の対象は屋内作業場に限られる。 |
| 4 | ○(正しい) | 管理第2類物質を扱う業務に常時従事する労働者は、屋外作業場でのみ従事する者にも特別の項目の健康診断が必要で、正しい。 |
| 5 | ○(正しい) | 特別管理物質を製造する作業場の常時従事者について、1か月を超えない期間ごとに所定事項を記録し30年間保存するとする説明で、正しい。 |
特定化学物質の作業環境測定の義務は、屋内作業場を対象とした規定です。
第2類物質を製造し、または取り扱う屋内作業場について、6か月以内ごとに1回、定期に測定を行うことが求められます。
選択肢3は、この測定義務を屋外作業場にまで広げ、屋外でも実施しなければならないと述べています。
屋外では有害物質が滞留しにくく、作業環境測定の枠組みになじまないため、屋外作業場には作業環境測定の実施義務はありません。
屋内向けの義務を屋外にすり替えた点が誤りです。
同じ問題でも、選択肢2の作業主任者の選任や、選択肢4の特殊健康診断は、屋外作業場にも及ぶ場面があります。
義務の種類によって対象範囲が違うので、「測定=屋内」「他の義務=屋外も含む場合がある」という違いを切り分けて押さえることが大切です。
問題:第2類物質を取り扱う屋外作業場について、6か月以内ごとに1回の作業環境測定を行う義務はあるか。
ありません。特定化学物質の作業環境測定義務の対象は屋内作業場です。屋外作業場には作業環境測定の実施義務はありません。屋内作業場については6か月以内ごとに1回、定期に測定します。
問題:金属をアーク溶接する作業を屋外作業場で行う場合、作業主任者の選任は不要か。
必要です。金属アーク溶接作業は、屋外作業場で行う場合でも作業主任者を選任します。作業環境測定が屋内に限られるのとは対象範囲が異なる点に注意してください。
出典
※ 最終更新:2026年6月