令和6年8月の作業環境測定士試験 労働衛生関係法令 問10は、作業環境評価基準等に基づく管理区分の決め方に関する問題です。
5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。
この問題は、測定の種類ごとに管理区分をどうやって決めるかを整理できているかを問うものです。
論点は、A測定・C測定が評価値の計算から区分されるのに対し、B測定・D測定はその場の高い値から区分される、という決め方の違いにあります。
引っかけの核心は、C測定の区分の決め方をB測定・D測定と取り違えさせるところにあります。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。
正解:選択肢4(誤っている記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | インジウム化合物等の測定結果は、管理区分への区分ではなく、必要な性能を持つ呼吸用保護具を選ぶために用いるので正しい。 |
| 2 | ○(正しい) | 2種類以上の有機溶剤の混合物では、測定点ごとに算定式で求めた換算値を測定値とみなし、管理濃度に当たる値を1として区分するので正しい。 |
| 3 | ○(正しい) | A測定の第1評価値とB測定の測定値がどちらも管理濃度に満たない場合は第1管理区分になるので正しい。 |
| 4 | ×(誤り) | A測定は計算で第1・第2評価値を求めて区分する点は正しいが、C測定を最大値・最小値で区分するとした点が誤り。C測定もA測定と同じく計算で評価値を求めて区分する。 |
| 5 | ○(正しい) | C測定の第2評価値が管理濃度を超えるときは、D測定の値に関係なく第3管理区分になるので正しい。 |
管理区分の決め方は、測定の種類によって2つに分かれます。
場全体の濃度のばらつきをつかむA測定とC測定は、得られた測定値から計算によって第1評価値・第2評価値を求め、その評価値を管理濃度と比べて区分します。
一方、発生源の近くや高濃度になる場面をねらうB測定とD測定は、計算ではなくその測定値そのものを管理濃度と比べて区分します。
選択肢4は、A測定について「計算により第1評価値・第2評価値を求めて区分する」と正しく述べています。
問題はその後で、C測定を「測定値のうちの最大値及び最小値をもとに区分する」としている点です。これはB測定・D測定の決め方であって、C測定の決め方ではありません。
C測定は、個人サンプリング法で場全体の状況を評価するための測定で、位置づけはA測定にあたります。
したがってC測定もA測定と同様に、計算で第1評価値・第2評価値を求めて管理区分に区分します。
「最大値及び最小値をもとに」という決め方をC測定に当てはめたのが、この肢の誤りです。
問題:C測定を行った場合、管理区分はA測定と同じく計算で評価値を求めて区分するのか、それとも測定値の最大値・最小値で区分するのか。
計算で求めます。C測定はA測定にあたる測定なので、A測定と同じく第1評価値・第2評価値を計算で求めて管理区分に区分します。最大値・最小値で区分するのはB測定・D測定です。
問題:C測定の第2評価値が管理濃度を超えた場合、D測定の値はどう影響するか。
D測定の値に関係なく第3管理区分になります。C測定の第2評価値が管理濃度を超えた時点で、ばらつきの大きい好ましくない状態と判断されるためです。
出典
※ 最終更新:2026年6月