作業環境測定士 独学ノート
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令和6年2月 作業環境測定士試験 労働衛生一般 問16を解説(電離放射線と生体影響)

令和6年2月の作業環境測定士試験 労働衛生一般 問16は、電離放射線とその生体影響に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。

この問題のポイント

この問題は、電離放射線が体に及ぼす影響の分類を整理できているかを問うものです。

被ばくの影響は遺伝的影響と身体的影響に分かれ、身体的影響はさらに早期影響と晩発影響に分かれます。

影響の出方という軸では、確率的影響確定的影響の2つを区別します。引っかけの核心は、確率的影響で「線量が増えると重篤度が増す」と述べているところにあります。

確率的影響で線量とともに増えるのは発生の確率であって、重篤度ではありません。

※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。

正解:選択肢5(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1○(正しい)α線・β線・γ線のうち電離作用が最も強いのはα線とするのは正しい。透過力は逆に最も弱い。
2○(正しい)被ばくによる人体への影響を、遺伝的影響と身体的影響に分類するのは正しい。
3○(正しい)身体的影響を早期影響と晩発影響に分け、がんや白内障を晩発影響とするのは正しい。
4○(正しい)発がんや遺伝的影響を確率的影響とするのは正しい。
5×(誤り)確率的影響にしきい値がない点は正しいが、線量が増えて増すのは重篤度ではなく発生の確率。重篤度が増すのは確定的影響。

選択肢5のポイント(ここが誤り)

確率的影響と確定的影響は、線量と影響の関係の出方が逆になります。

確率的影響(発がん・遺伝的影響)は、しきい値がなく、線量が増えるほど発生する確率(発生率)が高くなります。

ただし、いったん発症したときの重篤度は線量とは無関係です。少ない線量でも、まれに重い影響が起こり得ます。

これに対して確定的影響(脱毛・皮膚障害・白内障など)は、しきい値があり、その線量を超えると影響が現れ、線量が増えるほど症状の重篤度が増します。

選択肢5は、確率的影響について「しきい値がなく」とした前半は正しいものの、後半で「被ばく線量が増えると障害の重篤度も増す」として、確定的影響の性質をあてはめている点が誤りです。

確率的影響で線量とともに増えるのは発生の確率であって、重篤度ではありません。前半が正しいぶん見落としやすい、後半すり替え型の引っかけです。

覚え方

  • 確率的影響=しきい値なし・線量で発生確率が増す(重篤度は線量と無関係)
  • 確定的影響=しきい値あり・線量で重篤度が増す(脱毛・白内障など)
  • 発がん・遺伝的影響=確率的影響に区分
  • 線量で重篤度が増す=確定的、線量で確率が増す=確率的、と対で覚える

理解度チェック

問題:確率的影響は、被ばく線量が増えると障害の重篤度も増すか。

答えを見る

いいえ。確率的影響で線量とともに増すのは発生の確率であって、重篤度は線量と無関係です。線量が増えると重篤度が増すのは確定的影響の性質です。

問題:しきい値があるのは、確率的影響と確定的影響のどちらか。

答えを見る

確定的影響です。しきい値を超えた線量で影響が現れ、線量が増えるほど重篤度が増します。発がんや遺伝的影響などの確率的影響にはしきい値がないとされます。

出典

  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「作業環境測定士試験(労働衛生一般)令和6年2月」公表試験問題 問16・公表正答。
  • 電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号)。確率的影響・確定的影響の概念は、放射線防護の一般的な区分に基づく。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。