作業環境測定士 独学ノート
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令和5年8月 作業環境測定士試験 労働衛生一般 問16を解説(電離放射線と生体影響)

令和5年8月の作業環境測定士試験 労働衛生一般 問16は、電離放射線とその生体影響に関する問題です。5つの記述のうち、誤っているものを1つ選びます。

この問題のポイント

この問題は、放射線の透過力電離作用という二つの性質、そして被ばくによる影響の分類(確定的影響・晩発障害・組織の感受性)を幅広く問うものです。

引っかけの核心は一点で、透過力が最も大きいγ線を、電離作用まで最も大きいと思い込ませるところにあります。

透過力と電離作用は別の性質で、両者は逆の順序になります。

※ 問題文そのものは、公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表している試験問題で確認できます。

正解:選択肢2(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
1○(正しい)陽子数が同じで中性子数が異なる原子どうしを同位体と呼び、そのうち放射線を出すものが放射性同位体(ラジオアイソトープ)なので正しい。
2×(誤り)γ線は透過力こそ最大だが、電離作用は最も小さい。電離作用が最も大きいのはα線で、「ともに最も大きい」が誤り。
3○(正しい)中枢神経系障害は確定的影響で、しきい値を超えると線量の増加に応じて重篤度が増すので正しい。
4○(正しい)白内障は晩発障害で、被ばくから半年~30年後に現れるとされており正しい。
5○(正しい)造血器や消化管粘膜など細胞分裂が盛んな組織は感受性が高く、放射線の影響を受けやすいので正しい。

選択肢2のポイント(ここが誤り)

α線・β線・γ線は、透過力電離作用という二つの性質で順序が逆になります。

透過力は物質をどれだけ突き抜けるか、電離作用は通り道の原子からどれだけ電子をはじき出すかで、別々の性質です。

透過力はγ線が最も大きく、β線、α線の順に小さくなります。一方、電離作用はα線が最も大きく、β線、γ線の順に小さくなります。

質量と電荷の大きいα線は物質にすぐ止められるぶん、止まるまでに周囲を激しく電離します。逆にγ線は遠くまで届くぶん、電離はまばらです。

選択肢2は「γ線が透過力、電離作用ともに最も大きい」とまとめており、電離作用までγ線が最大だとした点が誤りです。

γ線が最大なのは透過力だけで、電離作用が最も大きいのはα線です。透過力の順序と電離作用の順序は逆になる、という一点をつかめば見破れます。

覚え方

  • 透過力の大小=γ > β > α(突き抜ける力)
  • 電離作用の大小=α > β > γ(透過力と逆順)
  • α線=重くて止まりやすい/止まる前に周囲を強く電離
  • γ線=遠くまで届くが電離はまばら
  • 「ともに最も大きい」は一方の性質しか合っていない引っかけの定番

理解度チェック

問題:α線・β線・γ線のうち、電離作用が最も大きいのはどれか。

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α線です。電離作用はα>β>γの順で、透過力の順序(γ>β>α)とは逆になります。γ線が最も大きいのは透過力のほうです。

問題:細胞分裂の頻度が高い組織は、放射線の影響を受けやすいか受けにくいか。

答えを見る

受けやすいです。造血器や消化管粘膜のように分裂が盛んな細胞が多い組織ほど感受性が高く、放射線の影響が現れやすくなります。

出典

  • 公益財団法人 安全衛生技術試験協会「作業環境測定士試験(労働衛生一般)令和5年8月」公表試験問題 問16・公表正答。
  • 電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号)ほか、放射線の透過力・電離作用と被ばく影響の分類に関する一般的記述(e-Gov法令検索)。

この記事を書いた人

作業環境測定士 独学ノート 編集部

作業環境測定士試験を独学で受ける人のための学習ノートの編集部です。