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平成30年度 公害防止管理者 大気特論 問3を解説|メタンの不完全燃焼と湿り排ガス中のCO2濃度

平成30年度 大気特論 問3は、メタンの不完全燃焼における湿り燃焼排ガス中のCO2濃度を求める計算問題です。

この問題のポイント

この問題は、不完全燃焼が起きても炭素・水素の収支は変わらないことを使って解きます。分かれ目は、湿り燃焼排ガス量そのものが未燃のCOの量によって変わる点に気づけるかどうかです。ガス量を固定して考えると答えが合いません。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)(約8.0%)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×7.1%。CO2とCOを取り違えるなど、炭素の配分を誤ると近い値が出ます。
(2)×7.4%。排ガス量を多く見積もると濃度が下がり、この付近の値になります。
(3)×7.7%。水蒸気を含めない乾き排ガスで計算すると、この付近に寄ります。
(4)約8.0%。炭素収支と酸素収支から求めた値と一致します。これが正解です。
(5)×8.35%。完全燃焼と仮定して未燃のCOを無視すると、この付近の値になります。

計算の手順

手順内容
手順1 生成物を置くCO2をx、COをy(m³N)とすると、メタンは全量反応するので炭素収支から xy=1。水素はすべて水になるのでH2Oは2 m³N。x+y=1
手順2 空気の内訳空気10 m³Nのうち酸素は21%、窒素は79%。O2 2.1/N2 7.9
手順3 消費酸素CO2に1、COに0.5、H2O 2 m³Nに1を要するので、消費酸素は x+0.5y+1。
手順4 湿り排ガス量生成ガス+窒素+余った酸素を足すと、11+0.5y(m³N)。COが多いほど排ガスは増えます。11+0.5y
手順5 CO条件で解くy÷(11+0.5y)=0.0104 を解いて y を求めます。y≒0.115
手順6 CO2濃度x=1−y≒0.885、排ガス量≒11.06。0.885÷11.06。約8.0%

ここが分かれ目

不完全燃焼の計算でつまずくのは、排ガス量を先に決め打ちしてしまうときです。COが残るということは、その分だけ酸素を使い切っていないということなので、余った酸素が排ガスに上乗せされ、全体のガス量は完全燃焼のときより増えます。この問題では湿り排ガス量が 11+0.5y と、未燃のCO量yに依存する形で出てきます。

逆に言えば、炭素は必ずCO2かCOのどちらかになり、合計は変わりません。だから「COの濃度」と「排ガス量」の2つが決まれば、CO2の濃度は引き算で出ます。水蒸気を落として乾き排ガスで計算すると濃度が高く出るので、「湿り」と書かれているかどうかを必ず先に確認してください。

覚え方

  • 不完全燃焼でも炭素の総量と水素の総量は変わらない。CO2とCOの取り合いになるだけ。
  • COが残る=酸素が余る。排ガス量は完全燃焼のときより増える。ガス量を固定しない。
  • 空気の内訳は酸素21%・窒素79%。窒素はそのまま排ガスへ抜ける。
  • 「湿り」なら水蒸気を入れる、「乾き」なら抜く。問題文のこの2文字で答えが変わる。

理解度チェック

Q.

不完全燃焼で一酸化炭素が残ると、燃焼排ガスの量は完全燃焼のときと比べてどうなりますか。

増えます。COが残るぶん酸素を使い切らず、余った酸素が排ガスに加わるためです。排ガス量を完全燃焼と同じだと決めつけると濃度計算がずれます。

Q.

「湿り燃焼排ガス」と「乾き燃焼排ガス」の違いは何ですか。

水蒸気を含めるかどうかです。湿りは燃焼で生じた水蒸気を含み、乾きは除きます。水蒸気を落とすと分母が小さくなるため、同じ成分でも濃度は高く出ます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題」(公式PDF