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平成30年度 公害防止管理者 大気特論 問4を解説|エマルション燃料の湿り燃焼排ガス量

平成30年度 大気特論 問4は、灯油に水を混ぜたエマルション燃料を燃やしたときの湿り燃焼排ガス量を求める計算問題です。

この問題のポイント

この問題は、理論空気量から実際の空気量を出し、そこに燃焼生成物を足していく標準的な手順で解けます。分かれ目は、混ぜた水も蒸発して排ガスに加わることを忘れないかどうかです。燃料は1kgでも、燃える成分は0.7kgしかない点にも注意します。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(約10.3 m³N)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×9.1 m³N。混合した水の分の水蒸気を落とすと、この付近まで小さくなります。
(2)×9.4 m³N。空気比を1.0として余剰空気を入れないと、この付近になります。
(3)×9.7 m³N。燃料1kgすべてを灯油として計算すると値がずれます。
(4)×10.0 m³N。近い値ですが、各成分を積み上げた合計とは一致しません。
(5)約10.3 m³N。CO2・水蒸気・窒素・余剰酸素を積み上げた合計と一致します。これが正解です。

計算の手順

手順内容
手順1 燃える成分エマルション燃料1kgのうち灯油は0.7kg。炭素は0.609kg、水素は0.091kg。C 0.609/H 0.091
手順2 理論酸素量炭素は同じ体積の酸素を、水素は半分の体積の酸素を要します。約1.65 m³N
手順3 理論空気量酸素は空気の21%。手順2の理論酸素量を0.21で割ります。約7.84 m³N
手順4 実際の空気量空気比1.20なので手順3の理論空気量を1.2倍。約9.41 m³N
手順5 排ガスの内訳CO2 約1.14/燃料の水素からの水蒸気 約1.02/混合水からの水蒸気 約0.37/窒素 約7.43/余剰酸素 約0.33。
手順6 合計手順5の内訳をすべて足します。約10.3 m³N

ここが分かれ目

エマルション燃料の問題で落としやすいのは、混ぜた水の行き先です。水0.3kgは燃えませんが、燃焼室の熱で蒸発して水蒸気として排ガスに加わります。水18kgが22.4 m³Nになる関係から、0.3kgはおよそ0.37 m³N。この0.37を足し忘れると、選択肢(1)付近の値に落ちます

もう一つの罠が、燃料1kgのうち燃えるのは0.7kgだけという点です。1kgすべてを灯油として理論空気量を計算すると、空気も窒素も過大になります。水は空気を消費しないので、理論空気量は灯油0.7kg分だけで計算します。なお水を混ぜる狙いは、油滴が微爆して微粒化が進むことによる燃焼改善で、排ガス量そのものはむしろ水蒸気の分だけ増えると押さえておきます。

覚え方

  • エマルション燃料は燃える分と水を分けて考える。空気を要するのは油の側だけ。
  • 混合水は消えない。全部が水蒸気になって湿り排ガスに加わる
  • 湿り排ガス=CO2+水蒸気(燃料の水素+混合水)+窒素+余剰酸素。この4本立てで積む。
  • 余剰酸素は理論空気量×(空気比−1)×0.21で出る。

理解度チェック

Q.

エマルション燃料に混ぜた水は、燃焼排ガスにどう効きますか。

蒸発して水蒸気として湿り燃焼排ガスに加わります。燃えないので空気は消費しませんが、排ガス量は水の分だけ増えます。理論空気量は油の分だけで計算します。

Q.

空気比1.20で燃焼させたとき、余剰酸素の量はどう求めますか。

理論空気量×(空気比−1)×0.21です。余った空気のうち21%が酸素として排ガスに残り、残る79%は窒素として排ガスに加わります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題」(公式PDF