平成30年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問5を解説|ほう素処理の添加剤と再生剤
平成30年度 水質有害物質特論 問5は、凝集沈殿法とイオン交換樹脂による吸着法を組み合わせたほう素排水の処理フローについて、添加剤と再生剤の組合せを選ぶ問題です。
この問題のポイント
この問題は、図の中に答えの手がかりが書き込まれているのが要点です。分かれ目は再生廃液として何が出ているかで、そこから再生剤が酸かアルカリかが決まります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
空欄に入る正しい語句
| 空欄 | 入る薬剤 | 解説 |
|---|---|---|
| (A) | 硫酸バンド | アルミニウム系の凝集剤です。ほう素を取り込んだ沈殿をつくる相手として加えます。 |
| (B) | 水酸化カルシウム | 消石灰です。アルミニウムとともに加えてほう素を共沈させ、pHをアルカリ側へ持ち上げます。 |
| (C) | 硫酸 | 樹脂にとらえたほう素を酸で外して再生します。図で再生廃液がホウ酸として出ていることが裏づけです。 |
ここが分かれ目
この問題は、フロー図の右下に書かれた再生廃液の中身を見れば決着します。再生廃液としてホウ酸が出ているということは、樹脂に捕まっていたほう素が酸を加えることで外されているということです。アルカリで再生するなら、廃液に出てくるのはホウ酸ではなくホウ酸塩の形になります。したがって再生剤は硫酸であり、水酸化ナトリウムを挙げた選択肢はここで落ちます。
前段の凝集沈殿については、アルミニウム系の凝集剤と消石灰を組み合わせるのが基本の形です。ほう素は水に溶けやすく、そのままでは沈殿しにくいため、アルミニウムの水酸化物が生成するときに一緒に取り込ませて沈めるという考え方をとります。消石灰はアルカリ剤としてpHを上げる役目と、カルシウムとして沈殿に加わる役目を兼ねています。
2段構えにしている理由も押さえておきます。凝集沈殿だけでは排水基準の水準まで下げきれないため、仕上げにほう素だけを選んでつかまえる専用の樹脂を通します。再生廃液は原水側へ戻されており、外へ出す量を増やさない工夫になっている点も、図から読み取れる要素です。
覚え方
- 再生剤は再生廃液の中身から逆算する。ホウ酸が出るなら酸で再生している。
- ほう素の凝集沈殿はアルミニウム系凝集剤+消石灰。水酸化物の生成に巻き込んで沈める。
- 基準まで下げるには2段構え。凝集沈殿で大まかに、専用樹脂で仕上げる。
- 図つきの問題は図に書き込まれた物質名が最大の手がかり。選択肢より先に図を読む。
理解度チェック
ほう素を捕らえた専用樹脂は、何で再生しますか。
酸(硫酸)です。再生廃液としてホウ酸が出てくることが、酸で外していることの裏づけになります。
ほう素処理で凝集沈殿と吸着を組み合わせるのはなぜですか。
凝集沈殿だけでは排水基準の水準まで下げきれないためです。凝集沈殿で大部分を落としたうえで、ほう素を選んで捕らえる樹脂で仕上げます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月