平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問27を解説|振れ方の型で決め方が変わる
平成30年度 騒音・振動特論 問27は、規制を受ける場所で計器の針を読んだあと、その読みをどうやって一つの数値にまとめるのかという取り決めを問う正誤問題です。正しいものを選びます。
この問題のポイント
まとめ方は測る人の裁量ではなく、針の振れ方の型ごとにあらかじめ決められています。型は大きく三つあり、ほとんど動かない場合、規則正しく上下する場合、そして落ち着きなく大きく揺れる場合です。選択肢はこの型と処理の対応をわざと入れ替えたり、パーセントの数字だけを差し替えたりしてきます。似た仕組みが騒音の側にもあるため、そちらの数字が紛れ込んでいないかを確かめる目が要ります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(正しい記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 振れ幅が何dB以上かで線を引き、真ん中の値を採るという決め方は置かれていません。振れが小さいときは針の値をそのまま用います。 |
| (2) | ○(正しい) | 規則正しく上下する読みは、山ごとの頂点を拾い、その平均を採ります。頂点だけを集めて平らにならす扱いです。 |
| (3) | ×(誤り) | とぎれとぎれに振れる読みは規則正しい振れと同じ扱いで、山ごとの頂点の平均です。パーセントレンジを持ち出すのは別の型です。 |
| (4) | ×(誤り) | 読みが落ち着かず大きく揺れるときは上端値を採りますが、切り取る幅は80パーセントであって90パーセントではありません。 |
| (5) | ×(誤り) | 道路を走る車による揺れも80パーセントレンジの上端値で評価します。時間で平均した値を用いるのではありません。 |
選択肢(2)のポイント(ここが正しい)
規則正しく上下する読みで頂点の平均を採るのは、規制が守ろうとしているものが平均的な揺れではなく、繰り返し人に届く強さだからです。プレス機のように一定の間隔で衝撃を出す設備では、針は毎回同じ高さまで跳ね上がって落ちます。この動き全体を時間で平均すれば、休んでいる時間に薄められて実感より低い値になってしまいます。そこで山の頂点だけを何回か読み、それらをならして代表値とします。とぎれとぎれの振れも人に届く強さという意味では同じ性格なので、同じ扱いになります。
いっぽう、読みが落ち着かず大きく揺れる場合は、頂点を拾おうとしても一回ごとの高さがそろわず、どれを頂点と呼ぶかで値が動いてしまいます。そこで多数の測定値を並べ、上下の外れた部分を切り落として残った範囲の上端を代表値とします。ここで切り落とす割合を騒音の側と取り違えると、答えが一つずれます。振動では上下から10パーセントずつ落として真ん中の80パーセントを残すのに対し、騒音では残す幅が90パーセントで規定されています。数字が近いうえ考え方は同じなので、振動は80、騒音は90と対で覚えておかなければ混ざります。道路交通による揺れも、実態としては大きく揺れる型なので同じ上端値で扱われ、時間平均に置き換えられることはありません。
覚え方
- 読みの型は三つ。動かないならそのまま、規則正しい振れととぎれとぎれの振れは頂点の平均、落ち着かない大きな振れは上端値。
- 振動は80パーセントレンジ、騒音は90パーセントレンジ。数字を対にして覚える。
- パーセントレンジで採るのは常に上端。下端や中央を採る決まりはない。
- 道路を走る車による揺れも上端値の側。時間で平均する評価には置き換えない。
- 頂点の平均は、休んでいる時間で薄めないための仕組みと理解しておく。
理解度チェック
計器の読みが規則正しく上下するとき、どの値を代表としますか。
振れごとの最大値の平均です。山の頂点を何回か読み、それらをならします。とぎれとぎれに振れる場合も同じ扱いです。
読みが不規則で大きく揺れるとき、切り取る範囲は何パーセントですか。
80パーセントです。その範囲の上端の数値を採ります。騒音の側では90パーセントで規定されているので混同しないようにします。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
- 振動規制法施行規則(測定の方法)
※ この記事の確認日:2026年7月