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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問26を解説|変位から加速度レベルへ直して比べる

平成30年度 騒音・振動特論 問26は、揺れの周波数と振れ幅がわかっている台の上に計器を載せたとき、理論上あるべき表示と実際の読みとの差がいくらになるかを求める計算問題です。数値を選びます。

この問題のポイント

手順は決まっていて、与えられた振れ幅を加速度に直し、実効値にし、基準値との比を対数に直し、最後に感覚補正を足すという四段です。落とし穴は段の数そのものにあり、途中で一段でも抜かすと答えが数dB単位でずれます。とくに最大値のまま基準値と比べてしまう抜けと、周波数によって補正がかかることを忘れる抜けの二つが重なりやすく、どちらも選択肢の端の値へ吸い寄せられる原因になります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)器差が-4 dBなら、あるべき値は95 dB前後になります。実効値と補正を正しく入れた計算値はそこまで高くなりません。
(2)×(誤り)器差が-2 dBなら、あるべき値は93 dB前後です。計算値と一致しません。
(3)○(正しい)与えられた揺れから求めた値は約91 dBとなり、読みと一致するため差はほぼ生じません。
(4)×(誤り)器差が+2 dBなら、あるべき値は89 dB前後です。計算値より低く、対応しません。
(5)×(誤り)器差が+4 dBなら、あるべき値は87 dB前後になり、計算値から大きく外れます。

計算の手順

手順内容
1角振動数を出す。2πに周波数を掛ける。2π×16 ≒ 100.5 rad/s
2振れ幅に角振動数の2乗を掛けて加速度の最大値にする。振れ幅は1.0×10-4 m。100.52×1.0×10-4 ≒ 1.01 m/s2
3正弦波なので最大値を√2で割り、実効値にする。1.01÷1.41 ≒ 0.71 m/s2
4基準値10-5 m/s2との比をとり、20 log で加速度レベルにする。log 7.15 は対数表から0.854。比は7.15×104/20×4.854 ≒ 97.1 dB
5鉛直方向の感覚補正を加える。8 Hzを超える範囲は1オクターブごとに6 dB引くので、16 Hzでは-6 dB。97.1-6 ≒ 91.1 dB
6読みから、あるべき値を引く。91-91.1 ≒ 0 dB

ここが分かれ目

まず押さえるのは、振れ幅と加速度を結ぶ橋が周波数だという点です。同じ振れ幅でも、速く揺れるほど折り返しが激しくなるので加速度は跳ね上がり、その大きさは周波数の2乗に比例します。16 Hzという条件を使わずに振れ幅だけで加速度レベルを出そうとすると、この段でつまずきます。振れ幅の100 µmという小ささに引きずられて加速度も小さいと決めつけるのは危険で、実際には重力加速度の10分の1ほどの大きさになります。

次が実効値です。振動レベルは実効値で定義されているのに対し、正弦振動の条件として与えられるのは片側の最大の振れ幅なので、そのまま比をとると3 dB高く出ます。√2で割る一段を飛ばすと、器差の符号まで逆に見えることがあります。最後の関門が周波数による補正で、人が感じる強さに合わせて重み付けをした量なのですから、加速度レベルをそのまま答えにしてはなりません。鉛直方向では、体が最も鋭く感じる帯域を平らな0 dBとし、そこから高い側は1オクターブ上がるごとに6 dBずつ差し引きます。16 Hzは平らな帯域の上端のちょうど1オクターブ上にあたるので、引く量は6 dBです。この二つの補正が偶然きれいに効いて、あるべき値は読みとほぼ重なります。

覚え方

  • 変位から加速度へは2πfを2回掛ける。速度へは1回。微分するたびに角振動数が1つ増える。
  • 正弦波の実効値は最大値の1/√2。レベルでは3 dB低い。校正の条件は最大値で示されることが多い。
  • 振動加速度の基準値は10-5 m/s2。加速度は20 log、パワーは10 logと使い分ける。
  • 鉛直の補正は、感じやすい帯域が平らで、それより高い側は1オクターブごとに6 dB減。倍の周波数ごとに6を引くと覚える。
  • 器差は読みからあるべき値を引いた差。正なら読みすぎ、負なら読み足りない。

理解度チェック

Q.

変位の振れ幅から加速度の大きさを求めるには、何を掛けますか。

角振動数の2乗です。2πfを2回掛けるので、周波数が2倍になれば加速度は4倍になります。

Q.

振動加速度レベルが求まれば、それが振動レベルになりますか。

なりません。人の感じ方に合わせた周波数の重み付けを加えた値が振動レベルです。鉛直方向では、感じやすい帯域より高い側で差し引かれます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF