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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問21を解説|倍距離3 dBと6 dBの差は開く

平成30年度 騒音・振動特論 問21は、減り方の速さが違う二つの発生源から等しい距離だけ離れた地点で、それぞれの揺れの大きさをどう比べられるかを問う問題です。正しいものを選びます。

この問題のポイント

与えられているのは、距離が2倍になったときに何dB下がるかという形の情報です。これを距離の対数を使った式に翻訳できれば、あとは引き算だけで片が付きます。分かれ目は翻訳のしかたで、2倍で6 dB下がる源は距離比の対数に20を掛け、2倍で3 dB下がる源は10を掛けるという対応です。両者の減り方が違う以上、遠ざかるほど開きは大きくなり、一定の差にとどまることはありません。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(正しい記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)両者が一致するのは基準距離にいるときだけです。そこから離れれば減り方の差がそのまま開きになります。
(2)×(誤り)減り方が速いのはA側なので、基準距離より遠い地点ではAのほうが必ず小さくなります。大小が逆です。
(3)×(誤り)差がちょうど3 dBになるのは距離が基準の2倍のときだけで、4倍なら6 dB、8倍なら9 dBと距離とともに開いていきます。
(4)×(誤り)距離比の対数に20を掛ける形は、2倍で6 dB下がるA側の式です。B側は10を掛けた形になります。
(5)○(正しい)二つの式を引き算すると、残るのは距離比の対数に10を掛けた項だけです。B側がその分だけ大きくなります。

計算の手順

手順内容
1P点は二つの発生源のそれぞれから同じ距離rにあり、基準距離r0での大きさはどちらもL0である。条件の整理
2A側を式にする。距離2倍で6 dB下がるので、係数は20 log 2=6.02から20と決まる。LA=L0−20 log(r/r0)
3B側を式にする。距離2倍で3 dB下がるので、係数は10 log 2=3.01から10と決まる。LB=L0−10 log(r/r0)
4差をとる。L0が消えて距離比の項だけが残る。LB−LA=10 log(r/r0)
5代表的な距離で数値にしてみる。r=2r0:Aは−6、Bは−3、差3 dB
r=4r0:Aは−12、Bは−6、差6 dB
r=8r0:Aは−18、Bは−9、差9 dB

ここが分かれ目

倍距離で何dBという言い方を、そのまま式の係数に置き換えられるかどうかがすべてです。距離が2倍になったときの下がり幅を3で割った数に10を掛ければ、対数の前に置く係数になります。3 dBなら10、6 dBなら20、12 dBなら40という具合です。この変換を飛ばして倍距離の値どうしを引き算し、差は3 dBで一定だと決めてしまうのが最もよくある取りこぼしです。差が3 dBに見えるのは距離が基準のちょうど2倍のときに限られます。

もう一点、どちらが大きく残るかの向きも押さえておきます。減り方の緩やかな側は遠方まで揺れを届かせるので、離れた場所ではそちらが優勢になります。減り方の速い側が優勢でいられるのは基準距離より内側だけです。近くでの大小をそのまま遠方へ持ち込むと、大小関係を取り違えます。距離減衰が絡む問題では、まず基準距離を境に内と外で立場が入れ替わるかを確かめる癖をつけると安全です。

覚え方

  • 倍距離3 dBなら10 log、倍距離6 dBなら20 log。3で割って10を掛ければ係数になる。
  • 減り方の違う二つを比べたら、差は距離比の対数に比例して開く。一定の差で収まると書いてあれば疑う。
  • 遠方で強いのは減り方の緩やかなほう。近場の大小をそのまま遠方に当てはめない。
  • 差が丁度3 dBになるのは距離が基準の2倍のときだけ。

理解度チェック

Q.

距離が2倍になるごとに6 dB下がる発生源は、距離の式ではどう書けますか。

基準の値から20 log(r/r0)を引いた形です。20 log 2が約6 dBなので、係数は20になります。

Q.

倍距離6 dBの源と倍距離3 dBの源を同じ距離で比べると、開きはどうなりますか。

離れるほど開きます。差は距離比の対数に10を掛けた値になり、基準の2倍で3 dB、4倍で6 dB、8倍で9 dBと広がります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF