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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問18を解説|そろえるのは比であって重さではない

平成30年度 騒音・振動特論 問18は、ばねの上で上下に大きく揺れてしまう機械に、小さなおもりとばねを載せて揺れを抑えるための条件を選ぶ問題です。記号どうしの関係を示した5つの式から、正しいものを選びます。

この問題のポイント

後から載せるおもりとばねは、揺れを押さえ付ける重しとして働くのではありません。自分の固有振動数と同じ振動数で揺すられたときに大きく動き、その反作用を下の機械へ返して打ち消す、という働き方をします。ですから条件は、載せた側の固有振動数を、機械が鋭く揺れている振動数に一致させることの一点に尽きます。分かれ目は、質量やばね定数の大きさそのものではなく、両者の比だけが効くという見方に立てるかどうか。重くすれば止まる、硬くすれば止まるという発想で選ぶと外します。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)(正しい記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)載せた側のばね定数と質量の比を、機械側の比と等しく置く関係です。両者の固有振動数がそろい、共振している振動数でおもりが働きます。
(2)×(誤り)質量を機械と同程度にし、ばねを支持ばねの2倍にする組合せです。比が2倍になるため、固有振動数は約1.4倍ずれて共振点から外れます。
(3)×(誤り)ばね定数どうし・質量どうしを掛け合わせた積をそろえる形です。ばねを4倍・質量を4分の1にしても積は変わりませんが、固有振動数は4倍にずれます。
(4)×(誤り)ばねを支持ばねと同程度にし、質量を機械の半分にする組合せです。こちらも比が2倍になり、(2)と同じだけ振動数がずれます。
(5)×(誤り)質量どうしの積とばね定数どうしの積を等しく置く形で、両辺の単位がそろいません。計算する前に落とせる肢です。

ここが分かれ目

ばねと質量でできた系が自分から揺れる振動数は、ばね定数を質量で割った値の平方根で決まります。割り算の形なので、比が同じなら振動数も同じです。機械が鋭く共振している回転数は、支持ばねと機械の質量で決まる振動数そのものですから、載せる側の比をそこにそろえれば、二つの固有振動数が一致します。すると載せたおもりが大きく振れ、ばねを通して下の機械に逆向きの力を返し続けるので、機械側の振れがほとんど残らなくなります。

ここで効いているのは比だけで、絶対値は条件に入りません。重いおもりを載せれば押さえ込めると考えると、質量だけを機械に近づけた組合せを選んでしまいますが、比がずれていればおもりは共振してくれず、ただの荷重として乗るだけです。逆に硬いばねで締め付ければ動かなくなると考えるのも同じ誤りで、ばね定数を上げるほど載せた側の固有振動数は上がり、狙った振動数から離れていきます。

単位に目を向けると、落とせる肢がもう1つあります。ばね定数と質量は単位が違うので、両者の比だけが振動数と結び付きます。質量どうしの積とばね定数どうしの積が等しいという形は、左右で単位がそろわず、物理の関係式として成立しません。式の意味が読み取れなくても、単位を見るだけで外せます。

なお、減衰要素の無いこの構成が効くのは、そろえた振動数のごく近くだけです。その上と下には新しい共振が現れるので、回転数が一定の機械に向いた対策になります。回転数が変わる機械では、別の振動数で新たな共振に当たることがあります。

覚え方

  • 後から載せるばねとおもりは比をそろえて固有振動数を一致させる。絶対値は条件ではない。
  • 固有振動数はばね定数を質量で割った値の平方根。比が同じなら振動数も同じ。
  • 積をそろえても比はそろわない。掛け算だけの式が出てきたら疑う。
  • 左右で単位がそろわない式は、計算せずに落とせる。
  • 減衰の無い付加系が効くのは合わせた振動数の近くだけ。回転数が変わる機械には不向き。

理解度チェック

Q.

付け足すおもりを2倍の質量に変えたら、そのばねはどうしますか。

ばね定数も2倍にします。比が変わらなければ固有振動数も変わらないので、狙った振動数に合ったままになります。

Q.

支持ばねを柔らかくして機械の共振する回転数が下がったとき、載せた側はどうすべきですか。

新しい振動数に合わせてばね定数と質量の比を取り直します。合わせる相手は、いま共振している振動数です。

この問題に関連する用語解説

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF