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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問17を解説|効くのは質量ではなく質量×半径

平成30年度 騒音・振動特論 問17は、穴をあけたことで偏りが生じた円板について、別の2か所からどれだけ削れば元の状態に戻るかを求める計算問題です。2つの質量の組合せを選びます。

この問題のポイント

回転体の偏りは、削った質量の大きさだけでは決まりません。同じ質量でも中心から遠いほど大きく効くので、質量と半径を掛けた量を向き付きで足し合わせ、その和がゼロになる状態が釣り合いです。今回は3か所が120度ずつ等間隔に並んでいるので、大きさの等しい3つの向きが正三角形をなして閉じます。分かれ目は、半径が3か所で違うこと。同じ効き目を出すのに必要な質量は半径に反比例するので、質量の数値だけを見比べると近い数字に引っかかります。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)100 g×300 mm=30000 g・mm、150 g×200 mm=30000 g・mm。最初に削った60 g×500 mmと3つとも同じ大きさになり、120度ずつの3方向で和がゼロになります。
(2)×(誤り)30000 g・mmと16000 g・mmで、2か所の効き目がそろいません。横向きの成分が残って新たな偏りを生みます
(3)×(誤り)どちらも24000 g・mmで互いにそろってはいますが、必要な30000 g・mmに届かず、最初の穴の側の偏りが残ります。
(4)×(誤り)36000 g・mmと18000 g・mmで、2倍の開きがあります。片方が過大でもう片方が過小なので、どちらの向きにも偏りが残ります。
(5)×(誤り)45000 g・mmと24000 g・mmで、削りすぎと不ぞろいが重なっています。数値が大きいほど効くという見当で選ぶと行き着く肢です。

計算の手順

手順内容
1最初の穴の効き目を、質量×半径の形にする。60 g×500 mm=30000 g・mm
23か所は互いに120度ずつ離れている。大きさの等しい3つの向きが120度ずつ並べば和はゼロ。他の2か所にも30000 g・mmずつ必要
3中心から300 mmの点は、必要な量をその半径で割る。30000÷300=100 g
4中心から200 mmの点も同じように割る。半径が小さいぶん質量は増える。30000÷200=150 g
5組合せにまとめる。300 mm側 100 g・200 mm側 150 g

ここが分かれ目

いちばん多いつまずきは、削る質量を2か所でそろえてしまうことです。効き目を決めるのは質量ではなく質量と半径の積なので、遠い点では少なく、近い点では多く削ることになります。ここを逆に考え、遠い点ほどたくさん削らなければならないと思い込むと、300 mm側に大きい数値を置いた肢を選んでしまいます。てこと同じで、支点から遠いほど小さな力で足りるという感覚に引き付けると間違えません。

もう一つの支えが配置です。3か所が120度ずつ等間隔に並んでいるとき、大きさの等しい3つの向きは正三角形の3辺のようにつながり、和はゼロになります。だから成分に分けて解く必要はなく、3つの積を同じ値にそろえるだけで済みます。等間隔でない配置なら、縦横の成分に分けて2本の式を立てる作業に戻ります。

なお、削るという操作は、反対側に同じだけ足すのと同じ効き目をもちます。削ったのだから軽くなって振動も減ると考えるのは誤りで、偏った位置から削れば、その反対側が重い状態になって不釣り合いが生まれます。回転数が上がるほど遠心力は大きくなり、この偏りは振動源として効いてきます。

覚え方

  • 回転体の釣り合いは質量ではなく質量×半径でそろえる。向き付きで足してゼロなら釣り合い。
  • 半径が2倍なら必要な質量は半分。近い点ほど多く削る。
  • 大きさの等しい3つの向きが120度ずつなら和はゼロ。等間隔配置は等分するだけ。
  • 削るのと足すのは同じ扱い。向きが180度違うだけで、効き目の大きさは変わらない。
  • 単位はg・mmでもkg・mでもよい。比べるだけなので、そろっていれば足りる。

理解度チェック

Q.

中心から500 mmの位置で60 g削ったのと同じ効き目を、中心から300 mmの位置で出すには何g削りますか。

100 gです。60×500=30000 g・mmを半径の300 mmで割ります。半径が小さくなったぶん、必要な質量は増えます。

Q.

3か所が互いに120度ずつ離れているとき、釣り合う条件はどう言えますか。

3か所の質量×半径がすべて等しいことです。大きさの等しい3つの向きが120度ずつ並ぶと、和がちょうどゼロになります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF