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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問15を解説|基準音源があるから現場でも測れる

平成30年度 騒音・振動特論 問15は、音源が出しているエネルギーそのものを表す量について、どんな部屋でどのように求めるかを問う正誤問題です。5つの記述から誤っているものを選びます。

この問題のポイント

音圧レベルは測る場所によって変わりますが、音源が単位時間に放つエネルギーは音源そのものに属する量で、場所では変わりません。だからこそ、機械の性能表示や騒音対策の設計にはこの量が使われます。反射の無い部屋や拡散した音場は、その量を精密に求めるための舞台にすぎません。分かれ目は、その舞台が無ければ求めること自体が不可能なのか、それとも別の手立てがあるのか。同じ設問の中に置かれている比較用の音源が、そのまま答えの手がかりになっています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)特別な音場は精密に求めるための場であって、必須の条件ではありません。既知の出力をもつ音源と置き換えて比べれば、普通の室内でも屋外でも求められます。
(2)○(正しい)反射の無い自由音場では音は全方向へ均等に広がるので、音源を包む球面の上で測り、その面積を掛ければ全体の出力になります。
(3)○(正しい)床が反射面になっている部屋では音は上半分の空間だけに広がるため、測定面も半球で足ります。
(4)○(正しい)比較の物差しにする音源なので、出力が安定していること、周波数によって偏りが無いこと、向きによる差が無いことが求められます。
(5)○(正しい)拡散した音場では、帯域ごとの音圧レベルと残響時間から部屋の吸音力を求め、そこから音源の出力を逆算します。

選択肢(1)のポイント(ここが誤り)

この肢は、測定できる場所を三種類の部屋に限ってしまっています。しかし現場で動いている大きな機械を実験室へ運ぶことはできず、それでも音源の出力は知りたい、という場面のほうが実務では普通です。そこで使うのが、出力が分かっている音源を同じ場所の同じ位置に置き、対象の機械と同じ測定点で音圧レベルを比べるやり方です。部屋の反射や吸音の効き方は両方に等しくかかるので、二つの音圧レベルの差を取れば場の性質は打ち消され、対象の出力が求まります。

つまり理想的な音場でなければ測定そのものが成り立たないと決めつけるのが誤りです。もちろん、値のばらつきは特別な部屋で測る場合より大きくなり、要求される精度の等級も下がります。しかし、精度が落ちることと、求めること自体が成り立たないことは別です。この肢は程度の話を可否の話にすり替えています。測れないと言い切る肢は、他の分野の問題でも誤りである場合が多く、まず疑ってよい形です。

あわせて、測定面の形が何で決まるかも押さえておきます。反射面が無ければ音は全方向に広がるので球、床という反射面が一つあれば上半分だけなので半球になります。音の広がる立体角に測定面を合わせるという一本の考え方で、二つの部屋の違いは説明できます。

覚え方

  • 音響パワーレベルは場所によらない音源固有の量。だから場所を選ばず求められる。
  • 測定面は音の広がりに合わせる。反射面なしなら球、床がある場合は半球。
  • 残響室では帯域ごとの音圧レベルと残響時間の2つを測り、吸音力を経由して出力を出す。
  • 基準音源=出力が安定・周波数特性が平坦・全指向性・小形。一般の場で比べるための物差し。
  • 特定の場所以外では求められないと可否を言い切る肢は、精度の話とのすり替えを疑う。

理解度チェック

Q.

半無響室での測定で、測定点を半球面上に置くのはなぜですか。

床が反射面になっていて、音が上半分の空間にだけ広がるためです。音の通る面の形に測定面を合わせる、という一つの考え方から出てきます。

Q.

実験室へ持ち込めない機械の音響パワーレベルは、どうやって求めますか。

出力が分かっている基準音源を同じ位置に置いて音圧レベルを比べます。場の反射や吸音は両方に等しくかかるので、差を取れば打ち消せます。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF