1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 騒音・振動特論
  4. 平成30年
  5. > 問10 サウンドレベルメータ

平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問10を解説|校正の音は外から入れる

平成30年度 騒音・振動特論 問10は、JIS C 1509-1が騒音計に備えることを求めている機能や性能に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。

この問題のポイント

並んでいるのは、応答の速さの切り替え、人の聞こえ方に合わせる重み付け、向きによる感度の差、表示の細かさ、そして校正のしくみです。ほとんどは計器の中に組み込める話ですが、一つだけ計器の内側では完結できない項目が混ざっています。分かれ目は、音を測る道具の正しさを確かめるには何が要るかという点です。音の入口であるマイクロホンまで含めて確かめるには、本物の音を外から与えるしかありません。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)音を使った校正は、決まった音を出す専用の器具をマイクロホンにかぶせて行います。計器の内側に音源を持たせるしくみではありません。内蔵されるのは電気信号による確認のしくみです。
(2)○(正しい)時間の重みを付けた値を測る計器には、応答の速いFが基本の特性として必要です。動きの速い音についていける設定が土台になります。
(3)○(正しい)人の耳の感度に近づけるAは、騒音を測るうえで欠かせない周波数の重み付けです。これがなければ人の感じ方に対応した値が出せません。
(4)○(正しい)どの向きから音が来ても同じ値になることを目指して設計します。向きで値が変わると、測る人の立ち位置しだいで結果が動いてしまいます。
(5)○(正しい)表示は0.1 dB以下の刻みで読めることが求められます。1 dB刻みでは規制の基準値との比較や器差の確認に足りません。

選択肢(1)のポイント(ここが誤り)

校正という言葉から、計器のボタンを押せば自動的に正しさが確かめられる姿を思い浮かべると引っかかります。音を測る道具の正しさは、マイクロホンを含めた全体で決まります。マイクロホンは薄い膜が音圧で動く部品で、時間がたてば感度がずれますし、湿気や衝撃でも変わります。この変化は、電気の側だけをいくら調べても見つけられません。

だから音による校正は、あらかじめ決められた大きさと周波数の音を出す器具をマイクロホンに直接かぶせて、計器がその値を示すかどうかを見る形になります。器具は計器とは別の独立した道具で、音の入口から出口まで一本の流れで確かめられるところに意味があります。計器の内部に音を発生させるしくみを持たせるという書き方は、この関係を丸ごと取り違えています。

混同しやすいのが、計器に内蔵されている電気信号による確認のしくみです。こちらは決まった大きさの電気信号を回路に流し、増幅や表示の系統が狂っていないかを見るためのものです。マイクロホンの感度ずれはこの方法では捕まえられないため、現場で測る前後に音の校正を行う手順が欠かせません。内部でできることと外部の器具が要ることの線引きが、この問題の核心です。

残る選択肢は、いずれも計器そのものの仕様として組み込める内容です。応答の速さ、周波数の重み付け、向きによる感度差、表示の刻みは、どれも設計段階で決まって計器の中で完結します。外部の器具を必要とするのは校正だけという対比で見ると、誤りの位置がはっきりします。

覚え方

  • 音による校正は外付けの器具をマイクロホンにかぶせて行う。計器の中に音源はない。
  • 計器が内部でできるのは電気信号による確認まで。マイクロホンの状態は音を入れないと分からない。
  • 時間の重み付けは応答の速いFが基本、周波数の重み付けは耳に合わせたAが基本。
  • 向きによる感度差はゼロを目指す。表示の刻みは0.1 dB以下。
  • 校正という語が出たら、計器の内側の話か外側の器具の話かを必ず切り分ける。

理解度チェック

Q.

騒音計の内部にある電気信号による確認だけでは不十分なのはなぜですか。

マイクロホンの感度ずれを検出できないためです。電気信号を回路に流す方法では増幅や表示の系統しか確かめられません。音の入口であるマイクロホンまで含めて確認するには、実際の音を外から与える必要があります。

Q.

騒音計の指向特性は、どのような設計目標になっていますか。

どの向きから音が来ても同じ感度になることを目標にしています。向きによって値が変わると、測定者の立ち位置やマイクロホンの向け方で結果が動いてしまい、比較できる測定になりません。

この問題に関連する用語解説

平成30年度 公害防止管理者 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題」(公式PDF