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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問5を解説|周長×長さ÷断面積で効きが決まる

平成30年度 騒音・振動特論 問5は、四角い風道の内側に吸音材を張ったとき、出口から出ていく音がどれだけ小さくなるかを、与えられた式で求める計算問題です。5つの数値から最も近いものを選びます。

この問題のポイント

使う式は問題文で示されているので、当てはめる量を取り違えないことがすべてです。周長と断面積は正方形の一辺から自分で出し、吸音率はそのまま掛けるのではなくいったん差し引きをしてから使います。分かれ目は、この差し引きを飛ばさないことと、内張りの厚みという式に登場しない数値に引きずられないことの2点です。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(3)

各選択肢の正誤

選択肢正誤理由
(1)×(誤り)減音量を17 dBと見た値です。内張りのぶんだけ内側が狭くなったと考えて計算すると、この付近の値に寄ってしまいます。
(2)×(誤り)減音量15 dBに相当します。吸音率から差し引きをせずに掛けると、ちょうどこの値が出ます。
(3)○(正しい)減音量13 dB。式に素直に当てはめた値で、開口の音圧レベルから引くとこの数値になります。
(4)×(誤り)減音量11 dBに相当し、式から出る値より小さすぎます。
(5)×(誤り)減音量9 dBに相当します。周長と断面積の比を小さく見積もると、この方向へ外れます。

計算の手順

手順内容
1一辺0.5 mの正方形から、周長と断面積を出す。P=0.5×4=2 m
S=0.5×0.5=0.25 m2
2吸音率から0.1を差し引く。0.75−0.1=0.65
3差し引いた値に周長と内張りの長さを掛け、断面積で割る。0.65×2×2.5÷0.25=13 dB
4開口から出ていた音圧レベルから、求めた減音量を引く。100−13=87 dB

この式の形を眺めると、効き目を決めているのは周長と断面積の比です。今回は1 mあたり8という値になり、これが長さ2.5 mぶん積み重なります。同じ断面積でも細長い断面のほうが周長が大きく、音が吸音面に当たる機会が増えるので、減音量は大きくなります。逆に太いダクトは真ん中を素通りする音が多く、効きが鈍ります。

つまずきやすいのは2か所です。ひとつは吸音率をそのまま掛けてしまうこと。差し引きを忘れると減音量が15 dBに膨らみ、答えは2 dB高い側へずれます。吸音率が低い材料では、この差し引きによって減音量がほとんど残らないことになり、式は薄い効き目を割り引いて評価する作りになっています。

もうひとつは内張りの厚みです。50 mmという数値は吸音材の仕様として与えられているだけで、式に現れるのは周長・断面積・長さ・吸音率の4つだけです。厚みぶん内側が狭くなったと考えて一辺を400 mmに直すと、周長と断面積の比が10に変わり、減音量は16 dB余りになって答えから外れます。与えられた式が求めている量だけを入れるという姿勢が、この種の問題では安全です。

覚え方

  • 吸音ダクトの減音量は周長×長さ÷断面積に比例。細くて長いほどよく効く。
  • 一辺aの正方形ダクトなら周長と断面積の比は4÷a。細いほど比が大きい。
  • 吸音率はそのまま掛けず、式が指定する差し引きを済ませてから使う。
  • 開口の音圧レベルから減音量を引けば、対策後の値になる。
  • 式に出てこない数値は入れない。厚みや材質名は当てはめの対象外。

理解度チェック

Q.

一辺0.5 mの正方形ダクトで、周長と断面積の比はいくつになりますか。

周長は0.5×4=2 m、断面積は0.25 m2なので、比は8(1/m)です。一辺が小さいほどこの比は大きくなります。

Q.

同じ断面積でも、細長い断面のダクトのほうが内張りがよく効くのはなぜですか。

周長が大きくなるからです。音が吸音面に触れる機会が増えるぶん、同じ長さでも減音量が大きくなります。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF