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平成30年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問4を解説|面積で重みを付けて平均する

平成30年度 騒音・振動特論 問4は、内側の面ごとに音の吸われ方が違う空間を、一つの代表値でまとめるときの計算式を選ぶ問題です。正しい式を5つの候補から選びます。

この問題のポイント

面ごとの値をそのまま足して割ると、広い壁も小さな窓も同じ重みで扱うことになってしまいます。実際に吸われる量は面の広さに比例するので、まず広さと吸われやすさを掛けた量を面ごとに積み上げ、その合計を全体の広さで割ります。分かれ目は、掛け算を先に済ませるか、足し算だけで済ませてしまうかという一点です。単位をたどるだけでも、候補はほとんど絞れます。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)

各選択肢の正誤

選択肢正誤理由
(1)×(誤り)面積の合計と吸音率の合計を足し合わせた形で、面積と吸音率が掛け合わされていません。m2の量と無次元の量を足すことになり成り立ちません。
(2)×(誤り)足すか引くかが違うだけで組み立ては(1)と同じです。掛け算が抜けている点は変わりません。
(3)×(誤り)吸音率をそのまま足して総面積で割る形です。同じ内装のまま部屋を大きくすると値が下がるという、平均としてありえない振る舞いになります。
(4)×(誤り)吸音率の和に余分な項が加わった形で、やはり面積の重みが吸音率に掛かっていません。
(5)○(正しい)面積と吸音率の積を面ごとに足し上げ、総面積で割った加重平均です。分子も分母もm2で、答えは無次元になります。

ここが分かれ目

面積Siの面が吸音率aiを持つとき、その面が吸い取る量はSiaiで表せます。これを空間の内側すべてについて足し合わせた量が、その空間が持つ吸音力です。平均吸音率はこの吸音力を総面積で割った値で、言い換えれば全部の面が同じ値だったとしたら、いくつなら同じだけ吸うかという問いへの答えになります。だから式は、積の和を面積の和で割る形にしかなりません。

迷ったときは単位で切ります。吸音率は割合なので単位を持たず、面積はm2です。面積の合計に吸音率の合計を足す形は、長さの違うものさしを足すのと同じで意味を持ちません。吸音率だけを足して面積で割る形は、単位が1/m2になってしまい、内装を変えていないのに部屋の大小で値が変わるという不合理を招きます。正しい式だけが、分子と分母の両方でm2がそろい、割り算の結果が0から1の間の割合として残ります。

もう一つの確かめ方は、極端な場合を入れてみることです。全部の面が同じ吸音率なら、平均もその値と一致するはずです。積の和を面積の和で割る形なら、共通のaiが外に出て面積が約分され、確かに同じ値が残ります。他の形ではこの当たり前の性質が成り立ちません。

覚え方

  • 平均吸音率=吸音力を総面積で割った値。吸音力は面積×吸音率の積み上げ。
  • 掛けてから足す。足してから割る形は平均にならない。
  • 分子も分母もm2。答えが無次元になるかで式を見分ける。
  • 全面が同じ吸音率なら平均もその値、という当たり前を満たすか試す。
  • 広い面ほど結果を左右する。小さな面の高い吸音率は効きにくい。

理解度チェック

Q.

吸音率を単純に平均してはいけないのはなぜですか。

吸われる量が面の広さに比例するからです。広い面と狭い面を同じ重みで扱うと、実際の吸音力とかけ離れた値になります。

Q.

平均吸音率が正しい式かどうかを、単位でどう確かめますか。

分子と分母がともにm2になっているかを見ます。吸音率は無次元なので、面積と足し合わせている式や、割り算の結果に単位が残る式は誤りです。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「平成30年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF